土木構造物標準設計 Q&A

A3

 標準設計における道路側こう本体の設計は、設計上支配的となる活荷重の影響がよくわかっていないため、これまでの経験 ・実績に基づいて決定した各部寸法に対して、以下の方法で安全性を確かめるといった方法によっています。
  (1) 側壁に作用させる側圧は活荷重の影響を考慮した主動土圧力。ここで、活荷重は擁壁の設計で考慮する載荷重と同様に、地表 面には10KN/m2(歩道:3.5KN/m2)を載荷しています。
  (2) 解析モデルについては、側壁は底版に固定された片持ちばりとして、底版は単純ばりとし解析しています。底版の解析に当たっ て考慮した荷重は、側壁からの外力(土圧と自重による影響)と地盤反力度です。
 道路側こうの設計において考慮する主たる荷重は、土圧、群集荷重又は自動車荷重(活荷重)による側圧です。このうち、 設計上支配的となるのが自動車荷重です。この自動車荷重による側圧に関しては、自動車の走行位置(側こう側壁と自動車走 行位置との離れ)、走行速度、路面状況及び車両重量等の多くの要因によって影響し、又その挙動が複雑なため、現時点では 明らかになっていません。そのため、荷重条件が側こうと類似している擁壁の設計で考慮する荷重(地表面に10KN/m 2)を準用しているのが現状です。
 また、自動車の走行方向は通常の側こうに対して平行な場合と側こうを横断する場合とがあり、両者では活荷重の載荷方法 も異なってきます。標準設計の側こうは、前者に対する活荷重の影響を考慮したものであり、後者には適用できません。


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