■技術資格試験合格体験記

  みんなのちからで技術士合格!

 〔取得した資格〕
  技術士(建設部門 道路)
 〔資格取得年度〕
  平成22年度


前田 良太 (まえだ りょうた)
前千葉県 県土整備部 技術管理課 企画調整室 主任技師
(現千葉県 県土整備部 葛南土木事務所)
  受験の動機・経緯
 私が技術士について知ったのは、上司から熱心に勧められたことです。 あまりに熱心でしたので、調べてみたところ、技術系資格の最高峰であり、 何より、経験論文が試験項目にあることから、自らが経験した業務により得た技術力の証明ともなると考え、取得を目指しました。

 学習方法
 1回目の受験では、一般、専門科目とも不合格。しかし学習方法などを見直すことで、2回目の受験で合格することができました。 その学習方法とは、県庁内の若手職員が有志で集まり、時間外に勉強会を開催したことです。
 国土交通白書や国土交通省のホームページを中心に、参加者がそれぞれ想定される問題、論文骨子および論文を作成したうえで、 これを持ち寄り、意見交換を行いました。日によっては、3時間以上も議論するなど、かなり熱のこもった会となりました。 勉強会の参加者は、各分野である程度の経験を積んでいるため、お互いに不足する分野に関する知識を補い合いながら、 4月から8月までの5ヵ月間で4回の勉強会を開催するほか、情報交換などはメールを中心に行いました。
 また完成した論文は、県庁技術士会の技術士取得者に添削をしてもらうなど組織的なバックアップもいただくことができました。 筆記試験合格後も、技術士取得者による経験論文の添削や模擬面接についても実施しました。
 何より大きかったことは、1年間に渡りモチベーションを保てたことです。1回目の受験では、一人での学習で、 悶々とした時間を過ごしていました。しかし今回の勉強会を通じ、ライバルを意識しつつ、 励まし合うことや高め合うなどの効果も感じました。この勉強会からは、私を含めて、数人の合格者が生まれるなど、 一定の成果も挙げることができました。

 受験者へのアドバイス
○最も重要な試験対策は、日々の業務の積み重ねだと思います。経験した業務などは記録に残しておくと、 記述問題や経験論文の作成に役立ちます。また、日頃から、専門分野に関する情報を意識して集めておき、整理しておくことも有効です。
○口頭試験対策は、事前に模擬面接を行い、想定問答を準備しておくと、口頭試験当日はスムーズに受け答えができると思います。

 まとめ
 周りを見渡すと、技術士を取得している上司、若くして取得した先輩、取得を目指している同僚など、頼りになる仲間が必ずいます。 技術公務員の「技術のちから」は、「個人のちから」だけでなく、「組織のちから」であると思います。 助けを求める手が挙がれば、誰かが必ず手を差し伸べてくれるはずです。

 特に参考となった出版物
・日経コンストラクション、月刊道路、月刊道路建設、国土交通省ホームページ、
・公益社団法人 日本技術士会ホームページ、SUKIYAKI塾ホームページ


  建設系技術者の
技術士環境部門取得について


 〔取得した資格〕
  技術士(環境部門/自然環境保全)
 〔資格取得年度〕
  平成22年度


草野 秀夫(くさの ひでお)
福島県 土木部 技術管理課
主任主査
 技術士環境部門の取得について(受験の動機・経緯)
 人類が人間らしく地球を健全なまま次世代に引き継ぐため、環境保全・共生を議論し考えていくことは、 第二の自然環境を創造する私たち建設技術者にとって重要な責務であると考えております。
 私は福島県に技術職員として採用され、河川、道路、ダム、地域計画とさまざまな分野に従事しましたが、 これらの業務において終始重視される事項は、社会環境管理、特に自然環境との共生でした。 そのような中で、自然公園の整備と管理を担当することになり、国立公園特別保護地区等極めて貴重な自然環境の 「保護と利用」という難しい説明を求められる業務を扱うこととなりました。
 自然環境の「保護と利用」を見極め、貴重な自然景観に手を加える行為に対して、 地域住民や利害関係者に公正に説明するため、「技術士環境部門」としての知識と技術が必要と考え取得した次第です。

 環境部門の筆記試験における傾向と対策
 私たちを取り巻くさまざまな環境に対し、人類は「保全」と「利用」の両面に付き合っていく必要があり、 その接点を世界的な議論とともに行政が科学的知見のもと、国民に説明していくことが求められています。
 また、環境行政の情報は、生物多様性条約等環境保全に関する国際条約や環境基本法、環境基本計画等で国から発信されています。
 筆記試験における論文では、このような広範囲の情報を客観的に理解したものに加え、自らの考えを論理的に記述することが求められます。
 このことから傾向と対策には、環境行政の情報把握、特に「環境の状況」、「循環型社会の形成の状況」、「生物多様性の状況」が 詳細に記載されている「環境白書」の理解が必要です。これらに加えて、自らの専門分野に関する知識・経験を、 国の環境政策と国際的な議論の方向性に関連付けて整理しておくことが有効であると思います。

  環境部門の口頭試験における傾向と対策
 口頭試験の冒頭に約10分間でこれまでの技術経験と知識をコンパクトかつ的確に説明する。 この10分間で十分な経験と知識に裏付けされた説明ができないと、残り35分間の解答が信用されないものとなります。
 このための準備として、経歴書や技術的体験論文に記載した専門事項にかかわるキーワード・用語について、 多層にわたる深い意味や解釈の確認に時間をかけ、あわせて自らの技術に関するアイデンティティを確認しておくことが必要です。
 さらに環境行政に関する最新の話題が問題となることから、国の環境戦略や国際条約に関する会議での論点や決定に注目し それらを理解するとともに、「自らの考え」を述べられるようにしておくべきでしょう。 私の受験した年度では、生物多様性条約締約国会議(COP10)が名古屋で開催されたことを受けて、 「愛知目標」、「名古屋議定書」についての説明を求められました。

 最後に
 技術士試験では、専門的応用能力を示す知識の奥深さと、業務に真剣に取り組み得た経験と最先端技術と情報収集力が問われます。 これまでの自信に満ちた実務経験と、専門分野に関する技術者の誇りがあれば技術士第二次試験に合格という目標は達成できるでしょう。 若いみなさまも、これからの技術者人生を自信と勇気をもって送るため、技術士試験へ挑戦を経験されてはいかがでしょう。

 特に参考となった出版物
・平成22年度環境白書(環境省編)
・生物多様性国家戦略2010(環境省編
・生物多様性キーワード事典(生物多様性政策研究会)
・手にとるように環境問題がわかる本(三菱UFJリサーチ&コンサルティング環境・エネルギー部)
・自然保護法講義第2版(畠山武道)


  技術士試験への挑戦

 〔取得した資格〕
  技術士(建設部門 道路)
 〔資格取得年度〕
  平成22年度


島田 泰至(しまだ ひろゆき)
福井県 土木部 道路建設課
企画主査
 受験の動機、経緯
 私は、地方公務員として土木行政に従事しており、技術士という資格の意義については普段から良く耳にしていましたが、 十分な経験と知識をもっていなければ、到底受かる資格ではないと思い、今までなかなか受験に踏み切ることができずに
いました。
 しかし、業務経験を重ねるにつれ、さまざまな場面で技術的判断を要求される機会が増えてきたため、技術士という目標を掲げ、 それに向かって挑戦することによって、技術力の向上を図ることができるのではないかと考え、受験を決意しました。

 筆記試験における傾向と対策
 セミナーの模擬試験を体験したところ、手書きで文章を書くことがこんなにも大変なのかと痛感しました。 それと同時に、知識の充実を図り、論理的に記述できるようにしなければならないと感じました。 そのため、国土交通白書や専門誌などから最近の社会情勢や建設一般に関するトピックを読み漁り、 現状の課題とその背景にある社会情勢、そして解決のための方策という流れで消化できるよう整理しました。 このことは、仕事にも通じることなので、日々の業務の中でも意識して取り組むように心がけました。 また、パソコンでの文章作成に慣れた思考を手書きでも対応できるようにするため、過去問等を繰り返すことで補完しました。

 口頭試験における傾向と対策
 筆記試験の合格発表後、論文作成に取り掛かったため、時間的余裕があまりなく、非常に大変な思いをしました。 事前に準備しておくことをお勧めします。
 作成した論文は、技術士である上司に何度も添削していただき、何度も修正を繰り返しました。 自分の気が付かなかった点を修正することができるので、第三者の目で見てもらうことは、非常に大事だと感じました。
 論文は、図表を用いることで、内容を容易に理解してもらえるように心がけるとともに、その業務にはどのような課題があって、 それを解決するためにどのような検討を行ったのか、そしてどのような結果を生み出せたのか、という構成を明確にし、 論旨を読み取りやすくなるように整理しました。
 また、上司に模擬面接を繰り返し行っていただき、事前に面接を体験できたことは本番で非常に役立ちました。

 受験者へのアドバイス、注意点、励まし等
 今、改めて振り返ると、模擬試験では回答が何も思い浮かばず、模擬面接では頭の中が真っ白になり冷や汗をかいていた自分が よくここまでたどり着いたと思います。これも、忙しい時間を割いて付き合ってくれた上司のおかげであると改めて感謝する次第です。 今回、合格することができた最も大きな要因は、それに尽きるのではないかと思います。
 まだまだ技術士として半人前ですが、これから一人前になれるようがんばっていきたいです、
みなさん一緒にがんばりましょう!!


  技術者としての知識向上を目指して

 〔取得した資格〕
  1級土木施工管理技士
 〔資格取得年度〕
  平成22年度


川瀬 渡(かわせ わたる)
静岡県 経済産業部 水産業局
水産振興課 技師
 受験の動機、経緯
 私が1級土木施工管理技士の資格取得を意識するきっかけとなったのは、職場の上司から、 業務に役立ち自分の勉強にもなるので受験資格が得られたらなるべく早く取得した方が良いとアドバイスをもらったことです。 また自らも、発注者側監督員という立場ながら、知識不足、経験の浅さを感じる場面が幾度もあり、 業務においてまずは土木全般の知識を習得する必要性を痛感していたことから、技術者としての知識向上を目指して受験を決意しました。

 学科試験における傾向と対策
 学科試験は、土木全般の幅広い分野から出題されます。必須問題と選択問題に分かれますが、 いずれもそれほど目新しい出題はなく、多くは過去に出題されたような問題が出題されます。 そのため、まずは過去問を繰り返し学習することがポイントかと思います。 また、選択問題となる専門分野については、全ての分野を完璧にするにはかなりの時間と労力を要するため、 時間のない方はある程度、分野を絞った勉強をお勧めします。 後述しますが、実地試験の傾向に合わせた分野に力を入れて勉強しておくと、実地試験の対策が楽になります。

 実地試験における傾向と対策
 実地試験は、必須となっている経験記述と、記述式の選択問題に分かれています。 経験記述は、以前はある程度固定された内容で出題されていたようですが、最近の傾向として幅広い分野から出題されているようです。 現場で生じた技術的な課題に対し、どのように対応したかを具体的に記述する必要があります。 制限時間内で要点を明確かつ簡潔に記述するにはやはり事前の準備が不可欠です。 過去問から出題パターンをある程度予想して、自分の言葉で記述できるよう準備しておくと良いと思います。
 選択問題は、記述式といっても基本は学科試験の知識の延長にあるので、学科試験の勉強をする際に、 実地試験を意識した勉強をしていれば特別な対策は必要ないかと思います。 私は、毎年出題されている土工、コンクリート、安全管理を中心に、学科試験で得意とする分野を中心に勉強を進めました。

 受験者へのアドバイス
 1級土木施工管理技士の資格を取るにあたって私が一番苦労したのは、経験記述でした。 特に、私のような発注者の立場で資格取得を目指す方は、現場での問題解決の経験が不足しがちになるかと思います。 幾度も現場に通って、請負者と現場での問題を共有し、共に解決策を探ることによって、少しでも現場での経験を積むことをお勧めします。

 特に参考となった出版物
・図解でよくわかる1級土木施工管理技術検定学科試験(誠文堂新光社)
・1級土木施工管理技術検定実地試験問題解説集(財団法人 地域開発研究所)


  一級建築士をめざして

 〔取得した資格〕
  一級建築士
 〔資格取得年度〕
  平成22年度    


遠藤 由樹(えんどう よしき)
山梨県 県土整備部 営繕課
建築第2担当
受験の動機・経緯
 学生時代に建築学科を専攻しましたが、山梨県に入庁し、建築行政(建築確認申請の審査等)の業務に携わるなかで 自分の無力さに気づかされました。職場のリーダーや先輩方は、一級建築士の資格を取得しており、 業務を遂行するうえでの考え方や、スピードに歴然とした差があったからです。 このとき、リーダーや先輩方に少しでも追いつきたいと思うようになり、一級建築士の資格の取得を強く思うようになりました。

 筆記試験における傾向と対策
 一次試験は4肢択一式の筆記試験で、建築全般の知識が問われます。 学科・(計画)20問、学科・(環境・設備)20問、学科・(法規)30問、学科・(構造)30問、学科・(施工)25問の合計125問が出題されます。 各問題につき4肢あるので、500肢の文章の正誤を判断しなければなりません。 これだけの問題を解くための勉強には、多くの時間を要します。一級建築士の受験者の多くは仕事を抱えながらの受験になると思います。 このため、短時間で効率よく勉強していくことが大切となります。
 私は午後11時頃帰宅することが多かったので、早朝5時〜7時、土曜・日曜・祝日は図書館の自習室で午前10時から午後5時まで勉強しました。 勉強内容は各科目につき、過去10年間の問題に取り組みました。問題は解くだけでなく、教科書などを使い問題の選択肢の内容を理解することに 時間をかけました。最終的に10回ほど繰り返し勉強しました。教科書にはどこに何が書いてあるかわかるぐらいにまでになりました。 10分でも20分でも時間があれば過去の問題を理解するよう心がけました。

 製図試験における傾向と対策
 二次試験は製図試験で、制限時間6時間30分間で設計製図及び設計主旨を提出しなければなりません。 製図の課題は毎年7月下旬に発表され、10月上旬に試験が行なわれます。実質的に2ヵ月間で、 課題に即した要求を時間内に完成させるスキルを身につけなければなりません。 当然ながら、時間内に要求された提出物を完全に完成させなければ、不合格となります。 短期間の勝負なので、私は毎週日曜日に資格試験専門の予備校に通い、製図を勉強する時間を確保しました。 日々の練習も早朝5時〜7時まで行いました。練習のときは強弱のついた見栄えの良い図面に仕上がるよう配慮し、 試験当日のつもりで取り組みました。おかげで試験当日は日々の練習のとおり図面を仕上げることができました。

受験者へのアドバイス
 仕事を抱えながら、また家庭を持ちながら一級建築士の資格を受験する方も多くいらっしゃると思います。 如何に自分の時間を作り出せるかが重要な試験対策になります。“絶対に資格を取得するんだ!”という強い意思を持ち続け、 日々勉強に打ち込むことが合格に繋がると思います。睡眠時間が少なく辛いときは、日々の取り組みの成果と自分を信じて、 合格するその日を夢見て頑張ってください。

 特に参考となった出版物
・1級建築士講座テキスト(計画、環境・設備、法規、構造、施工)総合資格学院
・1級建築士問題集(計画、環境・設備、法規、構造、施工)総合資格学院


  定年前のチャレンジ!

 〔取得した資格〕
  公共工事品質確保技術者(T)
 〔資格取得年度〕
  平成23年度    


若洲 博文(わかす ひろふみ)
愛媛県 農林水産部 水産局
漁港課長
受験の動機、経緯
 平成23年5月下旬に、昨年度品確技術者資格を取得したOBが来課し、「品確試験受けるの?」と質問があり、 「ひんかく」って何ですかと問い直したほど、無頓着でした。
 OBの助言を受け、全日本建設技術協会ホームページから試験情報を入手し、私の経歴が受験資格要件に合致したので、 公共工事品質確保技術者(T)を受験しました。
 平成23年度試験日程
 @6月10日  書類・論文の提出期限
 A9月中旬  2次試験の通知
 B10〜11月  面接試験
 C12月中旬  合格発表

 論文試験における傾向と対策
 私が受験した(T)では、論文2題について、発注に携わった工事の概要や 課題・処理・理由、並びに総合評価落札方式の制度導入の主な効果、今後の課題、改善策について、より具体的に自分の意見を記述しました。
 論文対象工事の選定にあたっては、「答」から「質問」への発想で、分割発注した工事の中から、 課題・処理・理由が記述しやすい工事を選定しました。
 特に、業務の中で工夫したことや改善策について、1題1,200文字以内となっているため、 箇条書きで具体的かつ簡潔に記述する必要があります。

 口頭試験における傾向と対策
 口頭試験は、学識経験者と発注機関関係者の2名から、論文2題の内容と品確法に関する質問があり、所要時間は約30分間でした。
 口頭試験にあたっては、以下の項目に留意しておく必要があります。
 ○論文の内容や品確法の主旨と概要をよく理解し暗記すること
 ○制度導入の問題点や改善策について、自分なりの意見を持つこと
 ○資格の活用方法や最近の入札契約適正化指針の概要を認識すること
 ○返答は簡潔明瞭にすること
 また、昨年度受験した方からの情報収集が大変参考になることを申し添えます。

受験者へのアドバイス
 今回の受験は、品確法の勉強になったことに加え、今までの業務に対する考え方や取り組み方に一石を投じる良い機会となり、 今後の業務に大いに役立つものと確信できました。
 (T)の受験資格要件を満たすのは、定年に近い方が多いと思いますが、再就職のための資格取得の機会として位置づけ、 積極的な受験をお勧めします。

 参考文献
 全日本建設技術協会ホームページ、国土交通省・各自治体等ホームページ、日経コンストラクション


  公共工事の品質確保について学ぶ!

 〔取得した資格〕
  公共工事品質確保技術者(U)
 〔資格取得年度〕
  平成23年度    


北島 寛子(きたじま ひろこ)
財団法人 福井県建設技術公社
業務課 積算グループ
受験の動機、経緯
 私の職場では、計画的に人材教育を行うことを目的とし各自が一年単位でスキルアップ計画を立てます。 研修や講演会に参加したり、資格取得を目指し勉強に励み技術力の向上に努めます。 その中に、品確技術者の資格試験を受けることも盛り込まれています。
 発注者支援業務を受注する弊社において、公共工事の品質を確保することはとても重要なことであり、 受験要件を満たした者は(私の場合、「建設コンサルタント等における実務経験を12年以上要する」に該当)皆、この資格を受験しています。
 私も、改めて品質確保の重要性を見直す良い機会と思い資格試験を受けることにしました。 受験することにより「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(以下、「品確法」という)についてより深い知識を得ることができました。 また日々の業務では、品質の良い成果を納めることにさらに留意するようになりました。

 筆記試験における傾向と対策
 この試験は試験申し込みと一緒に論文を提出し、後日、口頭試験が行われます。論文を作成するにあたり、 すでに私の職場では品確技術者(U)の保有者が数名おり、その先輩方の論文を参考にしてみました。 その結果、毎年若干の違いはあるものの、試験で問われる論文の傾向は、ほぼよく似ていることがわかりました。
 論文1、論文2と課題が二つあり、論文1では品確法について問われます。 法律制定の背景や法律の内容をしっかり勉強すれば書くことができます。 論文2は、自分の業務の中で公共工事の品質確保に関して取り組んだ一事例を書くと
いうものです。
 どちらも口頭試験で質問される内容なので、よく理解し、後に自分が説明しやすいように作成する必要があります。

 口頭試験における傾向と対策
 口頭試験では、まず受験申込みの際に提出した業務経歴について簡単に説明し、提出論文について質問をされました。 論文2については試験官も事前に論文を読んでいるので細かいことを質問されます。 自分の業務について書いた論文なので慌てることは何もないのですが、自分の考えをしっかりまとめておく必要があると感じました。
 私は口頭試験の前に、職場の先輩に模擬面接をしてもらいました。その際には、頭で考えていることと実際に口述することは異なるもので、 「ここは覚え直さなくては!」「ここは自分の考えをもう少しまとめ直さなくては!」と気付くことになり、とても効果的でした。

 受験者へのアドバイス、注意点、励まし等
 他の資格試験のように、過去問題を何年分も勉強する必要があるわけではないので受験しやすい資格だと思います。 日々の業務の延長といった感覚で受験するといいと思います。

 特に参考になった出版物
 国土交通省 北陸地方整備局のホームページ内の「公共工事の品質確保の促進に関する法律〔品確法〕ホームページ」 に掲載されているパンフレットがわかりやすく参考になりました。