一・二級建設機械施工技士1〜3
 
1. 目的
  建設業法は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的としております。
これらの目的を具体的に実現するための一つとして、技術検定制度が設けられています。この制度は、建設業者が施工する工事に従事し又はしようとする者に対して、その施工技術の向上を図るために技術検定試験を行うものです。
この技術検定は、土木、建築等6種類の検定種目があって、そのうち建設機械施工についての概要は次のとおりです。
2. 概要
  建設機械施工の検定種目は、「建設工事の施工に当り、建設機械を適確に操作するとともに、建設機械の運用を統一的かつ能率的に行うために必要な技術」を対象に検定を実施します。
 
  (1) 技術検定の称号・資格について
  この検定試験に合格すると「建設機械施工技士」の称号が与えられます。
そして、一定金額以上の下請契約を締結して建設工事を施工する特定建設業及びそれ以外の建設工事を直接施工する一般建設業の許可を受ける場合、営業所ごとに専任の技術者を置かなければならないことになっているが、その技術者となることができます。また、請け負った建設工事を施工する場合、当該工事現場に技術上の管理をつかさどる主任技術者及び特定建設業者が、請け負った建設工事を一定金額以上の下請契約を締結して施工する場合、当該工事現場に技術上の管理をつかさどる監理技術者を置かなければならないことになっているが、その主任技術者、管理技術者となることができます。
     
  (2) 技術検定試験の実施内容について
    検定試験は、一級及び二級に区分して、それぞれ学科試験及び実地試験により行われます。
一級、二級それぞれの受験資格については、表−1のとおりです。
  一級の技術検定
      学科試験は、建設機械施工等に必要な土木工学、建設機械の構造等、建設工事の施工に必要な法令など7科目について、それぞれ一般的な知識を有しているかどうかを基準に実施しています。
実地試験は、建設機械のトラクター系、ショベル系等6科目のうち2科目のその正確な操作、点検・整備、施工を適確に行う能力を有しているか及び各種建設機械の組合せによる施工の監督を適確に行う能力を有しているかを基準に実施しています。
    二級の技術検定
      学科試験は、建設機械による施工に必要な土木工学の概略の知識を有しているか、トラクター系、ショベル系等建設機械の構造・機能、運転等、衰損・故障に関する一般的な知識及びそれぞれの建設機械による施工の方法に関する一般的な知識を有しているかを基準に17科目について実施しています。
実地試験は、トラクター系、ショベル系等建設機械の操作の正確性、点検・故障の発見の正確性及び施工の適格性のそれぞれの能力を有しているかを基準に実施しています。
    その他、試験の免除等
      一級、二級とも学科試験の合格者が、実地試験に合格しなかった場合、次回(翌年度)の学科試験の際、申請することにより、試験が免除されます。
 

  (3) 試験の実施について
    実施場所
      試験地は、別表−2の学科試験10箇所、実地試験14箇所で実施しており、希望の試験地で受験できます。
 
    実施時期
      試験の実施時期は、各年度により若干異なりますが、概ね以下のとおりです。
 
    実施機関
      建設機械施工技士の試験は、社団法人日本建設機械化協会が実施しております。不明な点等については、表−3の最寄りの所在地に問い合わせ願います。
[参考]過去の実施状況
建設機械施工技士の技術検定は、一級が昭和37年、二級が昭和35年からそれぞれ実施していますが、過去の受験者数、合格者数の状況は、表−4のとおりとなっています。
         
 


3. おわりに
  今年の4月の国の緊急経済対策には、建設産業の健全な発達、工事の適正な施工を確保するため、技術力・施工能力を欠く不良・不適格業者の排除ということが盛り込まれておりますし、また、工事の品質を確保するため、工事現場へ配置する技術者の資格を厳しくする地方公共団体が増えている状況であることから、当技術検定制度に限らず施工技術の向上を図ることが、益々重要になってきているものと考えられます。