公共工事に係る行政事務に関する質問

Q11 道路法第21条の適用、手続きについて
 河川管理者によるバイパス河川の掘削にあたり、既存の道路を掘削し、将来的には橋梁となるのであ るが、当面(10年程度)は仮設管路を敷設した状態で、道路を供用する場合、道路法第21条の適用が妥当と考えるが、この場合の手続き及び事例について
A11  道路法第21条は道路と他の工作物と相互に効用を兼ねる場合における他の工作物管理者に「道路に関する工事」を施行させる場合のことについての規定です。
 一方、ご質問のことは、河川管理者が道路法適用の既存道路において、①道路を横断して管路を埋設する「河川工事」及び②河川工事を施工するために必要となる「道路に関する工事」を行うことと解されます。この場合の「道路に関する工事」については道路法第22条に「工事原因者に対する工事施行命令」として規定がありますのでこれを適用するべきでしょう。この際、「河川工事」に伴う「道路に関する工事」に関しては、同条第2項で、河川法第19条による「河川管理者が付帯工事としてこれを施行すること」は適用しないと規定されています。
 また、既存道路において行う「河川工事」に関しては、河川法第16条の2による河川整備計画を策定する段階で、河川管理者から道路管理者に河川の整備計画について協議がなされて既に合意済みと思われますので、工事の実施にあたってはそれを基本として管理者間で協議して進めるのが通常と思われます。
 したがって、手続きとしては、はじめに河川管理者から道路管理者に既存道路において「河川工事」を行うことについて協議をしていただき、協議が整った後に、道路管理者から河川管理者に対して道路法第22条による「工事原因者に対する工事施行命令」を行うのが適当と考えられます。
 なお、河川管理者との関係に関しては河川整備計画策定段階からの経緯等があることと思われますので、それをよく精査のうえ対処することが大切です。

(参考)道路法 
(兼用工作物の管理) 第二十条 1  道路と堤防、護岸、ダム、鉄道又は軌道用の橋、踏切道(道路と日本鉄道建設公団、本州四国連絡橋公団若しくは鉄道事業者の鉄道又は軌道法(大正十年法律第七十六号)による新設軌道との交差部分をいう。)、駅前広場その他公共の用に供する工作物又は施設(以下これらを「他の工作物」と総称する。)とが相互に効用を兼ねる場合においては、当該道路の道路管理者及び他の工作物の管理者は、当該道路及び他の工作物の管理については、第十三条第一項及び第三項並びに第十五条から第十七条までの規定にかかわらず、協議して別にその管理の方法を定めることができる。 (他の工作物の管理者に対する工事施行命令等) 第二十一条  道路と他の工作物とが相互に効用を兼ねる場合において、他の工作物の管理者に当該道路の道路に関する工事を施行させ、又は維持をさせることが適当であると認められるときは、前条及び第三十一条の規定によつて協議をした場合を除く外、道路管理者は、他の工作物の管理者に当該道路に関する工事を施行させ、又は当該道路の維持をさせることができる。 (工事原因者に対する工事施行命令) 第二十二条 1 道路管理者は、道路に関する工事以外の工事(以下「他の工事」という。)により必要を生じた道路に関する工事又は道路を損傷し、若しくは汚損した行為若しくは道路の補強、拡幅その他道路の構造の現状を変更する必要を生じさせた行為(以下「他の行為」という。)により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持を当該工事の執行者又は行為者に施行させることができる。 2 前項の場合において、他の工事が河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)が適用され、又は準用される河川の河川工事(以下「河川工事」という。)であるときは、当該道路に関する工事については、同法第十九条の規定は、適用しない。 (道路に関する工事とは)道路の新設、改築または修繕に関する工事をいう。(道路法20条第1項) 〔河川法〕 (河川整備計画) 第十六条の二 河川管理者は、河川整備基本方針に沿つて計画的に河川の整備を実施すべき区間について、当該河川の整備に関する計画(以下「河川整備計画」という。)を定めておかなければならない。 2 河川整備計画は、河川整備基本方針に即し、かつ、公害防止計画が定められている地域に存する河川にあつては当該公害防止計画との調整を図つて、政令で定めるところにより、当該河川の総合的な管理が確保できるように定められなければならない。この場合において、河川管理者は、降雨量、地形、地質その他の事情によりしばしば洪水による災害が発生している区域につき、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するために必要な措置を講ずるように特に配慮しなければならない。 3 河川管理者は、河川整備計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、河川に関し学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。 4 河川管理者は、前項に規定する場合において必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。 5 河川管理者は、河川整備計画を定めようとするときは、あらかじめ、政令で定めるところにより、関係都道府県知事又は関係市町村長の意見を聴かなければならない。 6 河川管理者は、河川整備計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 7 第三項から前項までの規定は、河川整備計画の変更について準用する。 (附帯工事の施行) 第十九条 河川管理者は、河川工事により必要を生じた他の工事又は、河川工事を施行するために必要を生じた他の工事を当該河川工事とあわせて施行することができる。   

Q10 発注者側から工事契約を解除した場合の補償額の算定方法について
 やむをえない事情により工事が続けられないと発注者側が判断した場合、標準契約約款第48条第1項により契約を解除することが出来ますが、第2項において乙へ損害を賠償しなければならない旨規定されています。
 建設業法研究会編著の「公共工事標準契約約款の解説」によれば「請負者に不利益を与えないことが条件であり(中略)請負者が既に支出した費用と、解除されずに工事が完成したとすれば請負者が得たであろう利益の双方に及ぶ」とあり、後段の「得たであろう利益」の算出方法に苦慮しています。
 一例として、当該工事の工事原価までは出来高に応じて当初契約との按分で算出し、一般管理費は当初金額のままといった計算でよいのではとも思うのですが、事例なども含めてご教示ください。
A10  公共工事標準請負契約約款第48条第1項の規定により、発注者が任意に契約を解除する場合には、同条第2項により、その損害を賠償しなければならないこととされています。この損害賠償の範囲については、甲乙が協議して定めることとされており(建設業法研究会編著「公共工事標準契約約款の解説」大成出版社 P.366)、まず乙から損失額を出してもらった上で、それが適正であるかを甲がチェックすることになるものと考えられますが、この条項を使って任意解除し、損害賠償を行う例はあまり見られないようです。
 損害賠償の算定に当たっての一般管理費の扱いについては、特段の定めはなく、出来高に応じて一般管理費等も按分して算出する方法も考えられますが、当初金額のままとすることも可能であると考えられます。いずれにしても、請負者に不利益を与えないことが基本であり、この点をよく踏まえて甲乙がよく協議することが必要です。

(参考)公共工事標準請負契約約款 
第48条 甲は、工事が完成するまでの間は、前条第1項の規定によるほか、必要がある時は、契約を
     解除することができる。
    2 甲は、前項の規定により契約を解除したことにより乙に損害を及ぼした時は、その損害を賠償し
     なければならない。  

 Q9 基準径間長における中小河川の緩和規定について
 河川管理施設等構造令のなかの橋梁の基準径間長の項目で中小河川の緩和規定がありますが、 解説に記述されている4つの条件を満たせば、原則的に緩和規定を適用してよろしいのでしょうか。
 A9  ご質問の中小河川の緩和規定については、構造令63条第2項に示すように計画高水流量が2000m3/sec未満 (構造令解説(以下、解説という)P.308~309)の場合で、「令第63条第1項の基準径間長では構造令を 制定する以前の運用に比べて厳しくなりすぎるので、河川管理上著しい支障を及ぼす恐れのないと認め られるときは、令制定以前の考え方に準じることができる」とされています。
 解説では、「この緩和規定は非常に活用されがちであるが、みだりに適用するべきでない」と述べてお り、この規定を適用できる場合については下記のとおり「4つの諸条件について十分留意されている場合 をいう」としています。
 したがって、実際の適用にあたっては、現地の状況及び他の諸条件も慎重に確かめた上で適用するか どうかの判断をしてください。
 

 「 河川管理上著しい支障を及ぼす恐れのないと認められるとき」の4条件(解説P.310)
 ① 橋脚が河岸(低水路の河岸を含む)または堤防ののり先並びに低水路ののり肩から10m(計画高
  水流量が500m3/s未満の河川あっては5m)以上はなれていること。ただし、局所洗掘等の恐れ
  に対し護岸の補強及び根固め工の設置など適切な措置が講ぜられている時はこの限りでない
  こと。
 ② 橋脚の流心方向の長さが30m未満であること。
 ③ 橋脚は図(省略)に示すようなパイルベント形式以外のものとし、河積阻害率は5%以下であること。
 ④ 堤防の小段又は高水敷と橋桁との間とのクリアランスが2m未満の部分があるときは、それを無効
  河積としてもなお河道に必要な流下断面が確保されていること。
(出典:解説・河川管理施設等構造令((社)日本河川協会) 平成9年7月)

 Q8 補償について
 今年度はじめて市の道路改良工事(補助事業)により、市の下水道管が支障となるのですが、 原因者(道路管理者)から移転に伴う費用をもらったり、あるいは原因者が付け替え工事を行うことが できるのでしょうか。
 A8  道路に下水管等を埋設する際には、事前に道路管理者に対して道路法第36条による工事の計画書を提出し、 道路法第32条により道路占用許可の申請をする必要があります。一方、道路管理者は同第33条の条件に適合 すれば同第36条により許可を与えなければならないものとされています。
 一般的には、下水道管の埋設時に、道路管理者と下水道の管理者が事前に協議を行い、占用許可にあたり移設 が必要になった場合等の処置の仕方など(費用の負担、工事の実施主体等)について、道路管理者から条件 が付くと思われます。したがって、占用許可に際してどのような条件が付されているかをまず精査する 必要があります。
 ご質問の場合、〇既存道路において占用許可を得た後、道路拡幅等により下水道管が支障となったのか、 あるいは、〇既設の下水道管がありそこに新に道路を構築することになったのか、が明確でありません。
 前者の場合、占用許可条件がどのように付されているかが問題となります。道路管理者が、道路に関する工事 により必要となる下水道管の移設を同法第23条の付帯工事として施工する場合には、占用許可に付した条件 に特別な定めがある場合を除き、その全部又は一部を道路管理者が負担することになります。後者の場合は、 新に両管理者間で協議することとなりますが、道路工事が原因で既設の下水道管を移設しなければならないこ のケースでは、原因者である道路管理者側で一部又は全額の費用負担あるいは移設工事を実施できる場合が あると思料されます。
 いずれにしても、同じ市であっても、 道路管理と、下水道管理は異なる法律に基づいて業務を執行することに なりますので、両管理者間で協議することが大切です。

 Q7 再度入札で入札参加者が一人の場合の入札執行の可否について
 本町では入札約款に入札を取りやめる場合のひとつとして、「入札参加者が一人である場合は、 特別な事情がない限り、入札を取りやめるものとする。」と明記されているが、指名競争入札で1回目 の入札で落札せず、2回まで再度入札を行う場合、2回目の入札前に辞退者が相次ぎ、一人しか入札者が いなくなった場合には、一般的には入札を取りやめるべきか。または、「一人の場合は入札を取りやめる」 というのは、1回目の入札のみに適用され、再度入札の場合は一人であっても、入札を行うべきか。
 A7  貴町の入札約款に明記されている「特別な事情」の中に、ご質問のケースについての記述があればそれに基づいて 処理することになります。しかし、記述がない場合、その処理方法について、県の担当部局の考え方を参考にするの も一方法です。担当部局は、県土整備部 建設・不動産課 建設業・契約室です。 なお、あくまでも処理方法は最終判断は入札を執行する貴町当局であることに留意してください。

 Q6 工事写真の管理ソフトについて
 工事写真の電子納品について、業者が使用する納品物作成ソフトで よく使われている「ソフト名、メーカー名」を教えて下さい。
 A6 工事写真管理ソフトは、種類が多く色々な管理ソフトが使用されており、 どれがスタンダードかは言えない状態であります。
ご参考までに、工事写真管理ソフトの一部をご紹介いたします。
・写管屋
  (http://www2.kentem.co.jp/products/3shakanya.html
・蔵衛門工事写真
  (http://www.koujishashin.com/
・現場編集長
  (http://www.genba21.com/product/pro_v50.html
・現場絵巻
  (http://www.a-sk.co.jp/seihin_emaki.html
・現場名人
  (http://www.tfl.fujitsu.com/products/genba/
・電納ヘルパー 工事版
  (http://www.kts.co.jp/seijyou/k_helper/k_const/index.html

(参考サイト)
・土木系情報交換サイト しび・こむ (デジタル写真管理ソフトの使用実態調査をとりまとめられている)
  (http://const.cool.ne.jp/xml_pix/

 Q5 工事現場における車輌事故について
 横断溝設置工事中の現場において、夜間、走行中の車輌が既存舗装部分と床堀部に安全管理のため 設置していた覆工板との段差(5cm程度の段差、前後1.5m程度のスロープあり。)に接触し、 車輌の底部を強打した。
 現場の安全管理の方法としては現場前後に看板(段差あり)等を設置し、現場についても赤色灯を 点灯していた。また、現場は少し上って下った部分で見通しについてはあまりよいとは言えない部分 である。このような場合、運転手と道路管理者及び施工業者の責任関係というのはどのようになるの ですか。
Q&Aサンプル
 A5 ○このような事故の場合、事故の結果発生につき運転手の安全運行に対しての注意義務違反(注視義務 違反等)があれば自らがその責めを負うことになります。また施工業者が事故の発生が予見できるのに、 それに対応する回避義務を履行していなければ不法行為損害賠償義務を負います。
 更に道路管理者においては設置管理上の瑕疵の責任を負います。そして、理論上はそれぞれがその 過失の割合により全体の損害を分担することになります。従って損害の負担はそれぞれの当事者の具 体的な注意義務違反の程度によって変わってくることになります。

○本事例の場合、事故の原因や運転時の状況等が明らかではありません。事故の現状(車両の損傷
、覆工板、スロープの状況など)、運転時の状況(運転状況、走行速度、車両の整備状況など)、施工
業者の事故防止対策(縦断勾配のある道路での視認を配慮した対策を含む)等について、十分、把握し
ておかなければなりません。
○横断溝設置工事の現場は、通行上危険な箇所であり、特に、夜間時の走行車両に対しては、十分に危 険性を認識させるなど、施工業者、道路管理者は、事故防止対策を講じなければなりません。施工業者 としてとるべき所定の対策については、工事の契約図書、施工計画書に明示され、また、道路交通法上 の手続きは、通行の安全対策が許可条件として付されています。
○従って、施工業者においては、適切な事故防止対策がとられていたかどうか、また、道路管理者にお いては、適切な事故防止対策がとられていない場合、道路の設置又は管理上の瑕疵が追求され、施工業 者や占有者を十分に監督していたか否かを問われることになります。

○段差のすりつけについて
   ・「建設工事公衆災害防止対策要綱の解説」-土木工事編- 監修 建設省建設経済局(発行(株)
    大成出版社)P51 「第22 車両交通のための路面維持」
   ・「土木工事安全施工技術指針の解説」平成13年改訂版 監修 国土交通省大臣官房技術調査
    課(発行(社)全日本建設技術協会)P300 「段差のすりつけ」
では、「段差のすりつけは、5%以内の勾配ですりつけるもの」とされています。(今回の場合、5cm程度 の段差は、3.3%程度の勾配となる。)

○このような事例(判例)は多数あり、例えば、「道路管理瑕疵判例ハンドブック」監修 建設省道路局
道路交通管理課訟務班(発行(株)ぎょうせい)などが参考となります。なお、損害賠償や係争の状況が
生じた場合、その取り扱いや対応について、速やかに、国や県の公物管理・訟務担当部署や弁護士等
に相談するようにしましょう。

 Q4 計画中のバイパス道路へのゴルフ練習場からのボール飛来について
 バイパス計画ルートに隣接してゴルフ練習場があり、現在でも場外にボールが飛来している状況にあります。 隣接している民家には、飛来してきたボールが家の壁にあたることからゴルフ練習場側でネットを敷設していま す。今の状態では、バイパス供用後にバイパスにボールが飛来してくることは確実であり、もし、通行車両にボ ールがあたった場合、大事故になりかねない状況にあります。
 このような場合、①場外にボールを飛来させているゴルフ練習場側に責任があるのか、ボールが飛来すること がわかっていながらバイパスを計画した国側に責任があるのか教えてください。
 また、②仮に両者に責任がある場合は、事前の対策にかかる費用は両者負担という形になるのでしょうか。
Q&Aサンプル
 A4  ①道路管理者としてボールが飛来するという危険性を認識できる場合には、バイパス計画でこの危険を回避 する措置を講じなければなりません。この措置がなされず事故が発生した場合、道路管理者側に責任が生じます。
 ②バイパスの計画段階において、仮に、妨害排除の措置をゴルフ練習場側に要請したとしても、これを受け 入れられることは困難と考えられます。従って、ゴルフ練習場からの飛来ボールによる危険防止対策として、 道路管理者は、バイパス計画の中で防護施設等による対応を図る必要があると考えられます。なお、費用の負 担は道路管理者となります。

 また、お尋ねの状況とは異なりますが、既に供用中の道路において、民地側からのボール飛来により事故が 生じた場合、道路管理者にボールが飛来し、事故を発生させることを予測できたかどうかが、ポイントになり ます。ボールの飛来がたびたびあり、危険が予想される場合には、道路管理者として危険を回避する義務があ りますので、速やかに、ゴルフ練習場側に対し、道路管理者としての状況を説明し、危険の除去について打ち 合わせ、対策をお願いします。しかし、ゴルフ練習場側において、危険防止の処置が実施されない場合、道路 管理者は危険防止の措置として、道路管理者の負担により防護施設等による対応が必要と考えられます。
 なお、事故の原因が、既に供用中の道路で道路区域外に起因するような場合には、取り扱いや対応について 、速やかに、国や県の公物管理・訟務担当部署や弁護士等に相談するようにしましょう。

 Q3 アセットマネジメントについて
最近、社会資本のストックの管理において注目されている「アセットマネジメント」について教えて下さい。
<新潟県協会>
 A3  アセットマネジメントの概念は、以下のとおりとなります。
 住民は、社会資本(公共施設)管理者に対し、ニーズを表明するとともに資金(税金)提供している。 管理者は、ニーズを満たすように施設の維持改善を行い、県民に対し施設機能サービス提供を行い、顧 客満足を得ていただくという図式が考えられる。このような管理マネジメント概念をアセットマネジメ ントと称します。
 すなわち資産価値の最大化を目的とし社会資本の最適な維持管理・運用を支援するツールとしてアセ ットマネジメントは捉えられています。
 また、アセットマネジメントには、長期分析と個別施設機能評価を分ける「マクロマネジメントとミ クロマネジメント」、官庁会計と企業会計の差異・応用をした「公会計とインフラ会計」などの概念要 素があります。アセットマネジメントの本質は、「あるものをどう運用するのか、既存機能の合理的活 用のためのツール」です。

 Q2 適化法のPFI事業への適用について
PFI事業は、適化法の対象となるのでしょうか。
Q&Aサンプル
 A2  PFI事業には多様な契約方式が考えられますが、会計法や地方自治法における請負契約、民間事業者等に対する 建設業法の適用関係が明確となっておらず、現時点では、PFI事業の全てが適化法の対象にはならないとは言い切れません。
 例えば、PFI事業において国等との契約形態が会計法又は地方自治法の請負契約に該当し、事業を実施する民間事業者 等が建設業法の適用になる場合には、適化法の対象となる場合もあると考えられます。 個別の契約により判断することが必要であると考えます。

 Q1 民地から道路へ突き出した枝で生じた事故の管理責任について
道路区域外である民地の立木が繁茂し、道路区域内にはみ出した枝により、道路(車両)の通行や道路 標識類の視認に支障が生じる恐れがあるため、この立木の所有者に対し、伐採等をお願いしていますが、 なかなか聞き入れてもらえません。このような場合、以下について教えて下さい。
 (1)事故が生じた場合、道路管理者の管理瑕疵を問われることはないか。
 (2)道路管理者としての対応策。
Q&Aサンプル
 A1 (1)について
・道路管理者としてその危険性を事前に認識しているのであれば、道路管理者としてこの危険を回避 する措置を講じなければならず、この措置をとらなければ損害賠償責任を免れることはできないと考 えられます。
(2)について
・私有物である以上、勝手に伐採することはできません。当該立木の所有者に対し、道路管理者とし て状況を説明し、危険の除去について打ち合わせ、お願いします。道路管理者としてその費用を負担 し危険を除去する場合、このことを所有者に申し出、了承が得られれば、道路管理者側で実施します。
・所有者の了承がどうしても得られない場合、引き続きお願いをする一方、危険を回避する必要があ る場合には、道路管理者としてとりうる危険防止の措置として、道路区域内での施設対応(防護施設 等)等を講じるか、危険回避措置としての通行の規制(禁止)で対応するしかないと考えられます。
・なお、道路法上では、道路区域外の沿道を、沿道区域の指定(道路法44条)することにより対応 することができます。沿道区域が指定されれば、当該立木の管理者(所有者)は、危険を防止するた めの必要な措置を講じることを要し、また、道路管理者は、当該管理者に対しこのような措置を命ず ることができます。
・こうした道路区域外の所有者と係争になりそうな場合や対応が困難な場合には、速やかに、国や県 の公物管理・訟務担当部署や弁護士等にその対応について相談するようにしましょう。