建設事業に係る技術的な質問

Q17 1バレルとはどこからどこまでのことでしょうか
 初歩的な質問で申し訳ありません。
土地改良事業計画設計基準設計 「水路工」 基準書、同技術書 (平成13年2月 農林水産省農村振
興局) の348頁に収縮継目の設置間隔として1バレルの長さが記載されていますが、この"バレル"と
はどこからどこまでのことでしょうか。ご教示願います。
A17  土地改良事業計画設計基準・設計 「水路工」 348頁の(9)継目のA収縮継目の項 「収縮継目は、1
バレルの長さを9〜12mとしてバレル間の接着や・・・ 」 に表記されている 「バレル」 については、区切
りと区切りの間との意味として使われています。
 即ち、収縮継目と収縮継目の間を表していると考えられます。
 なお、詳細については中国四国農政局土地改良技術事務所に問い合わせされることをお勧めいたします。

Q16 頂版と側版の三面からなるラーメン構造物の、H鋼杭基礎を使用したコンクリート基礎について
@ コンクリート基礎の杭反力は上向きに作用するのではないか
A 主鉄筋は上側に配置するのが妥当ではないのか
B 杭の埋め込み長は、どの程度で施工すればよいか
A16 ご質問の各項目については、設計者の考え等を良く確認する必要があると考えられますが、ごく大雑
把な感想を、記載します。
@ について
   この基礎コンクリートは、杭を支点とした連続梁モデルと考えられることから、引っ張り応力が上
   下に現れるので、荷重方向は上下どちらと考えても差し支えない(作用力と反力)と思われます。
A について
   上記@により、引っ張り応力が上下にでると考えられることから、主鉄筋は基本的には上下に必
   要と思われます。
   ただし、本構造では厚さが20cmと薄いことから、結果として上下の鉄筋が中央に一緒に配置され
   ているとも考えられます。
   応力的に、引っ張り応力を鉄筋で、圧縮応力をコンクリートで持てれば設計上は可とも考えられま
   す。(厚さが30cmあれば、上下に配筋可能か)
B について
   道路橋示方書・下部構造編では、方法Bにおいては補強鉄筋を使用した上で最小埋め込み長が
   10cmとなっていることから、少しすくないように感じられますが、水平力がかからなければ持つの
   かもしれません。
以上が、ご質問の大要をみての感想です。
実際の対応に当たっては、土質条件・荷重条件・近隣環境さらには設計上の考えなど総合的に斟酌
の上、管理者として判断されることをお勧めします。

Q15 舗装路盤の現場密度の測定方法について
 舗装路盤の現場密度の測定方法は、@舗装試験法便覧による突砂法と AJIS A 1214による注砂
法、の2通りがあります。旧建設省系機関の品質管理基準では@による方法、農林水産省、旧運輸
省系ではAの方法を指定しているケースが多いようです。何故、監督省庁により異なる方法が指定さ
れているのかご教示願います。また、@,Aの双方を品質管理の指定試験方法とした場合、何か問題
があるのかどうかご教示願います。
A15  現場密度の測定法について、@「舗装試験法便覧」(以下、便覧という)によるの突砂法は(社)日本
道路協会が定めた道路路床の現場密度測定法であり、AJIS A 1214による注砂法は(財)日本規格
協会により認証された原位置の土の密度測定法で、原案の作成は(社)地盤工学会が行ったものです。
 上記の便覧によれば@は路床の締固め度合いを知るものとされており、Aの方法は、複雑な形の
穴では@よりも穴の隅々まで砂が回らず、砂で置換される穴の体積が小さく測定されるため、現場密
度は@の方法より大きな値になる傾向があるとされています。また、Aの規格概要には"規定する方
法を用いて試験を行うことが出来る範囲は最大粒径が5.3p以下の土に限る"と記述されています。
 したがって、試験方法を指定する場合、ア)道路路床における試験なのか、イ)現場の土の試験なの
か等の目的および現地の粒径を勘案して選択することが大切であると考えます。
 なお、当方ではご質問にある「農林水産省、旧運輸省系ではAの方法を指定しているケースが多い
ようです。」との記述については確認出来なかったことから、ご質問の「何故、監督官庁・・・」のことに
ついては回答を控えることとします。

Q14 擁壁設計における受動土圧の考え方について
 既存水路沿いに造成工事により擁壁を設計する場合、受動土圧はいかにして考慮すれば良いのか
教示ください。
宅地造成許可を伴う工事で「宅地造成等規制法」に則り擁壁の設計をする場合、受動土圧は考慮せ
設計するのが原則かと思いますが、下図にあるような恒久的築造物(公共水路)があり、明らかに一
定の拘束力は認められる場合、擁壁設計における滑動の検討において、どう反映させるべきか。
原則どおりで設計する予定ですが、過大設計ではないかという気もします。


A14  宅地造成に伴い擁壁を築造する場合の技術的基準については、「宅地造成等規制法施行令」(以下
「施行令」という。)第二章 宅地造成に関する工事の技術的基準のなかで第五条〜第八条に定められ
ています。「施行令」の当該条文には受動土圧に関する記述はありませんが、ご質問の記述にあると
おり、擁壁の設計にあたっては、一般的には基礎前面の受動土圧は考慮しないこととしています。
なお、道路土工−擁壁工指針(平成11年3月(社)日本道路協会)(以下「指針」という。)でも"受動土圧
は無視するのが一般的"とされています。
 この理由としては、@一般的に基礎工事等の掘削のために擁壁の基礎前面の土が乱され、受動土
圧としては不安定であること、A「指針」では、図面のような水路等が設けられている場合の擁壁の根
入れ深さは、水路底面の洗掘・低下を考慮し水路底より30p以上確保すべきとされていること、B水
路構造物が破損した場合等に、擁壁の安定性も損なわれる虞があり、造成地の崩壊に繋がりかねな
いこと等が考えられます。
以上のことから、ご質問のことについては、受動土圧は考慮せず設計することが適切でしょう。

Q13 仮締切工の施工時期と期間について
 私は基本的には出水期間の仮締切工は避けるべきであり、止得ない場合には本設構造物と同様な
安全性を河川構造令に準じるべきと考えております。
 この考え方は「仮設計画ガイドブック(T)」([企画](財)日本建設情報総合センター [発行]全日本建
設技術協会 平成13年9月)のP.27〜28にも同様な記述がありますが、実際はかなり適用が緩い
(出水期でも非洪水期と同様な施工を行なっている)と考えています。
 この「仮締切工の施工期間は非出水期である」ことが明確に規定されている基準・法律はないもの
でしょうか?ご教示下さい。
 また、「河川管理施設等構造令」上ではどのようになっているのでしょうか?
A13  「仮締切工の施工期間は非出水期である」ことが明確に規定されている基準・法律はないものかと
のことについては、結論的にいえば明確に規定されている基準・法律はありません。
 また、「河川管理施設等構造令」上では、第73条(適用除外)において、"この政令の規定は次に掲
げる河川管理施設または許可工作物については適用しない。"として、"3.工事を施工するために仮に
設けられる河川管理施設等"を掲げています。したがって、ご質問のことについては「河川管理施設等
構造令」は適用されないこととなります。
 なお、前記の図書(「仮設計画ガイドブック(T)」(本会発行))P.27〜28に記述のとおり"仮締切工に
関する検討事項"として"土留工に関する項目に加えて1)施工時期と期間に関すること、2)気象条件・
水位等に関することについて事前調査および検討を行うものとする。"とされ、これらの項目について解
説がなされているので、このことは確実に遵守・実施するべきであると考えます。

Q12 建築物の室内仮設足場の積算について
 階高が約8.4mの部屋及び4.2mの部屋の天井面・壁面に施工されたアスベスト吹き付け材を撤去
するにあたり、棚足場(内部足場)を施工したいのですが見積もり方法がわかりません。
以下のことについて教示お願いします。
@壁面はありますが、床面積単価でよいのでしょうか。
 あるいは壁面の架面積と床面積の合算でしょうか。
A架面積を出す場合、壁面から1m後退させた寸法で拾うのでしょうか。
 例えば間口が2m以内の部屋の場合はどうなるのでしょうか。
A12  公共建築の工事標準歩掛り等については、市で使用する技術基準が定められているものと思いま
すが、ここでは、地方公共団体等でも広く活用されている国土交通省 大臣官房 官庁営繕部制定の
技術基準にある「公共建築工事積算基準」及び「公共建築数量積算基準」に沿って以下に述べます。
この技術基準によると、内部仕上足場(階高4m以上は枠組棚足場)の「数量」は、床面積とし、1m2
当たりの「歩掛り」は、階高に応じ8.4mの場合は7.4m以上〜9.1m未満、 4.2mの場合は4.0m以上〜5.0m未満の歩掛り表により積算をすることとなります。
 このことから、ご質問にある壁面分はこの中に含まれており、架面積で積算することはありません。
 また、国土交通省 大臣官房官庁営繕部制定の技術基準等の詳細については国土交通省のホー
ムページ http://www.mlit.go.jp/gobuild/index.htmlの関係箇所を参照してください。
 なお、以上のことと直接関係はありませんが、アスベスト吹き付け材撤去にあたっては、床にビニー
ルシート養生を施すため一般的な棚足場が不適切な場合があるので、現場条件に合った設計とする
ことに留意してください。

Q11 下水道設計委託の成果品照査要領について
 下水道設計委託の完了時に照査する項目及び内容についての一覧を教えていただきたい。
 道路設計、港湾設計等は入手出来ましたが、下水道について教えてください。
  (例) 管渠の断面決定の根拠は正しいか。
      推進工の選定は土質条件に適合しているか。
      薬液注入の必要性、選定は正しいか。
A11  結論的には、自治体等の発注者側で下水道設計委託の完了時に照査する項目や内容等について、
共通的に記載され、利用できる文書等は現在ありません。
 現時点では、自治体等が設計委託を発注する際に、設計書の特記仕様書の中に照査に関する条項
を明記して受注者に照査を義務付けるとともに、その際、設計の内容に応じ照査項目の詳細について
列記する事例等が見受けられます。その上で、発注者は設計完了時の成果品検査時に、受注者側に
おいて照査がなされているかを確認する方式が一般的のようです。
 なお、平成13年に"下水道の構造の技術上の基準"が改訂されていることに留意が必要ですが、下
水道の照査に関する図書として下記がありますので、設計委託完了時の照査項目等を決定する場合
の参考にしてください。
  ○「下水道計画設計・管渠設計・施設設計 チェック&レビューリスト一覧表」
   平成11年9月 (社)全国上下水道コンサルタント協会  *主な照査項目が列記されています。
  ○「改訂版 下水道管きょ設計・積算チェックリスト」
   2000年10月  近代図書(株)   *上記に比べ、照査項目と解説が細かく記載されています。

Q10 街路の側溝基礎の断面構成について
 現在、都市計画道路(区画整理地内)について設計を行っているところですが、道路断面の側溝下部
について、路盤材を敷設(材料は、車道本線と同じ)するか、あるいは基礎砕石のみとするか決まってい
ません。
 通常の幅員6m道路の標準断面などでは、当然敷設しないところですが、本街路は地区内幹線道路
に位置付けられており、不特定多数の重車両の往来、または横断が見込まれるところであり、沈下等
を防止する意味でも安全性をみて敷設したほうがよいのではないかといった意見があります。
また、U字溝をL字側溝に変えたパターンなどでは、知る限り全て下部に路盤を敷設したパターンであっ
たことも一因としてあります。
 いろいろ調べてみたのですが、これといった結論が導き出せません。
そこで、国土交通省の標準設計その他などから、何か根拠として適切なものがあればご教示ください。
A10  結論的には、本件のような問題に関して明確に根拠を示した基準等はありません。
 通常、道路(街路)設計では道路側溝の上には輪荷重は乗らないものと想定しています。重車両が横
断する等のケースは特殊事例扱いとはいえ間々発生するものの、多くの場合、臨機に応じ設計・施工
がなされているのが実情の様です。また、路床・路盤と側溝築造を同時に実施する場合、現場での施工
性から、"施工承認"を受け道路の車道本体の路盤、路床構造を側溝下部まで同じとする事例も見受けられます。
 なお、本件の場合、対応策として、重交通の横断等があることを設計上の条件とし、耐力、施工性、経
済性等を含め総合的に検討することも一つの方法でしょう。

 Q9 舗装構成決定基準について
 舗装構成を決定する上で、ライフサイクルコストを加味し検討しなければならないが、現実はTA値に
より舗装構成を検討することが多いと思います。
 質問内容は、必要TA値から得られる断面を検討し、各断面の工事費を比較し低コストの舗装構成を
採用することになりますが、上層路盤厚が下層路盤厚より厚い断面が低コストとなります。
下層路盤より上層路盤が厚い舗装構成で問題はありませんか。
 また、上層・下層各層の路盤厚を決定する基準等があればご教示願いたい。
 なお、「舗装設計施工指針」には、従来用いられていた実績のある断面を参考として、必要TAを下回
らない舗装構成を定める。また、路盤各層の最小厚さが記載されております。
よろしくお願いいたします。
 A9  道路舗装の構造の決定は、平成13年策定の「舗装の構造に関する技術基準」(国土交通省 都市・
地域整備局長及び道路局長 平成13年6月29日)(以下「技術基準」という。)に基づいて行うこととなります。 この中で、舗装構成等の設計に関しては、基本的に性能設計の考え方となっています。
今回の場合も、この考え方を基本として設計されていることと思われますが、ご質問の
@ 「下層路盤より上層路盤が厚い舗装構成で問題はないか」については、
 アスファルト舗装は、本来、たわみ性舗装であり、理論的には、交通荷重を表層・基層から路盤・路床に順次分散させ、 バランスのとれた構造とするもので、表層・基層に硬い材料(合材)を使用し、上層・下層を柔らかい構造の砕石等の路盤として、 路床となじみをよくすることで必要な性能を実現させています。
 上層路盤厚が下層路盤厚より厚い断面が低コストとなる (再生粒度調整砕石を上層路盤材、再生クラッシャーランを下層に使用する ケース等で起こることがある) としても、上記の基本的な考え方からは"バランスのとれた構造"とは云い難く、 現に「舗装設計施工指針」(日本道路協会)(以下「指針」という。)P.194の表でも、このような事例の記載はありません。 したがって、上層路盤の厚さは、下層路盤より薄くするか、同じ厚さまでにしておくのがよいでしょう。
A 上層・下層各層の路盤厚を決定する基準等の有無については、
 前述の「指針」P.174の付表−4.1.5に路盤各層の最小厚が記載されているので、参考としてください。

 Q8 基準径間長における中小河川の緩和規定について
 河川管理施設等構造令のなかの橋梁の基準径間長の項目で中小河川の緩和規定がありますが、 解説に記述されている4つの条件を満たせば、原則的に緩和規定を適用してよろしいのでしょうか。
 A8  ご質問の中小河川の緩和規定については、構造令63条第2項に示すように計画高水流量が
2000m3/sec未満(構造令解説(以下、解説という)P.308〜309)の場合で、「令第63条第1項の基準
径間長では構造令を制定する以前の運用に比べて厳しくなりすぎるので、河川管理上著しい支障を
及ぼす恐れのないと認められるときは、令制定以前の考え方に準じることができる」とされています。
 解説では、「この緩和規定は非常に活用されがちであるが、みだりに適用するべきでない」と述べて
おり、この規定を適用できる場合については下記のとおり「4つの諸条件について十分留意されている
場合をいう」としています。
 したがって、実際の適用にあたっては、現地の状況及び他の諸条件も慎重に確かめた上で適用する
かどうかの判断をしてください。
 

 「 河川管理上著しい支障を及ぼす恐れのないと認められるとき」の4条件(解説P.310)
 @ 橋脚が河岸(低水路の河岸を含む)または堤防ののり先並びに低水路ののり肩から10m(計画
  高水流量が500m3/s未満の河川あっては5m)以上はなれていること。ただし、局所洗掘等の恐
  れに対し護岸の補強及び根固め工の設置など適切な措置が講ぜられている時はこの限りでない
  こと。
 A 橋脚の流心方向の長さが30m未満であること。
 B 橋脚は図(省略)に示すようなパイルベント形式以外のものとし、河積阻害率は5%以下であること。
 C 堤防の小段又は高水敷と橋桁との間とのクリアランスが2m未満の部分があるときは、それを無
  効河積としてもなお河道に必要な流下断面が確保されていること。
(出典:解説・河川管理施設等構造令((社)日本河川協会) 平成9年7月) 

 Q7 24時間雨量の定義について
 災害復旧事業の採択にあたって基準となる24時間雨量の定義を教えてください。
<鳥取県協会>
 A7  公共土木施設の災害復旧に関しては、災害復旧事業として採択される限度と範囲について関係法
規により制約されています。
 災害復旧事業の採択の可否は、「公共土木施設災害復旧事業国庫負担法」(以下「法」という。)
法施行令、法施行規則、および法事務取扱要綱によるほか、「公共土木施設災害復旧事業査定方針」
(以下「方針」という。)によって行うことと定められています。
 お尋ねの、災害復旧事業の採択基準上の24時間雨量については、「方針」第3(二)において、「河川
以外の公共土木施設にあっては最大24時間雨量80ミリメートル以上の降雨より発生した災害、ただし
最大24時間雨量80ミリメートル未満の降雨により発生した災害であっても、時間雨量等が特に大であ
る場合を含む。」と記載(本会発行「平成16年度災害手帳」P.7およびP.452参照)されています。
ここで、最大24時間雨量とは日単位の最大雨量を示すものでなく、連続した24時間の雨量であることに留意する必要があります。
 なお、公共土木施設の災害復旧事業の進め方等に関しては、上記の本会出版図書、「平成16年災
害手帳」が参考になると思われますのでご利用ください。

 Q6 メタルロード工法(MR工法)の採用について
 地域高規格道路事業約4kmのうち、約90m区間において、擁壁比較検討を行っております。急峻
地形のため、EPS、FCB、発泡ウレタン、MRの4案から、MRが最も経済的で、工期も短く、安全性
も高いことがわかりました。しかし、同事業区間内で4年前に設計し、着工がまだである、ほぼ同条件
の箇所が数カ所あり、そこではメタルロードを比較案から削除していました。理由は、当時、実績が少
なく、レベル2地震設計方法が確立されていなかったからです。
 「事業全体の中で整合性がとれていない」と会検で指摘されるでしょうか?いくら着工がまだでも、当
時の適正な考え方で設計していれば、設計の見直しの必要はないと思います。
 今回MRを採用しないと税金の無駄使いだと思います。いかがでしょうか?
<奈良県協会>
 A6  "先に設計した個所についてはその結果で施工し、今回設計個所では、MR工法を採用した場合、
「事業全体の中で整合性がとれていない」と会計検査で指摘されるのではないか"と懸念されている
ことについては、「4年前の設計部分が未着工であれば、その区間全体についても、現時点で従前の
比較検討結果を改めて見直すことが必要であり、施工個所の条件をよく検討し、総合的に見て最適な
工法を選択するべきである」と考えます。
 なお、既に、検討済みのことかもしれませんが、工法の採用にあたっては、施工面のことのみならず、
将来的な維持管理面も考慮した工法の選定が大切と思われます。

 Q5 マンホールの腐食対策について
質問の内容: 下水道管渠の新設箇所において、マンホールの腐食対策についてお尋ねします。
1.組立MH+防食塗装とレジンMHのどちらが好ましいか
2.どちらが全国的に普及しているのか
3.その他の良い工法があるのか
<宮崎市協会>
 A5  マンホール(以下MHと略す)等の下水道管路施設の腐食対策は、第一に伏越の解消等の発生源対
策、次に施設の換気等腐食抑制、そしてライフサイクルコスト低減化に向けた防食を基本として対策を
講じることが重要です。これらのうち防食については、その環境に応じて適正な工法の選定が必要と
なることを踏まえ、以下にご質問の回答を述べます。

質問1.について
 組立MHは「下水道用資機材指定・登録」(日本下水道協会) U類に製品名が登録されており、製品
規格はそれぞれの製造者が規格を定めています。この組立MHに防食塗装を施すことについては、初
期コスト、ハンドリング面でメリットがあるものの耐久性に問題があります。また、レジンMHについては、
上記の「下水道用資機材指定・登録」においてJSWAS K−10で規格化されています。レジンMHの
特徴としては、標準的製品(0号〜3号MH)の場合、組立MHに比べ価格が割高であるものの、強度が
高く、そのうえ、軽量、薄肉部材の製造が可能であり、耐久性にも優れていることです。
 したがって、現段階では、前者は補修など短期的利用(10年程度)や特殊MHに、後者はライフサイク
ルを考慮して計画的に整備する場合に適していると言えます。但し、組立MHに耐用年数10年性能
の防食塗装を施した場合、同性能のレジンMHの製品単価は0.8〜1.5倍程度となる試算結果も
あるため、耐用年数の設定と経済性については施工条件を含め比較検討が必要と思われます。
なお、腐食環境条件に対応する計画・設計等については、日本下水道協会「下水道管路施設防食対

策の手引き(案)」(平成14年5月)が参考になります。
質問2.について
 組立MH+防食塗装の場合について一部メーカに問合せてみましたが、MH製造と防食塗装関連の
業界が別々で、かつ、数も多いため実態把握は困難とのことです。また、レジンMHについては、日本レ
ジン製品協会の調べによると、平成5年度の納入実績が37に対して平成15年度には803と年々増加
傾向にあり、この間の総計では2952となっています。

質問3.について
 下水道管路施設の防食対策は、そのメカニズムの実態把握に関する体系化の歴史が浅く、今後の
技術開発や研究に期待する部分が多いのが実情です。
 なお、最近、「下水道用耐食性鉄筋コンクリート管が「下水道用資機材指定・登録」のU類に類別指
定することが了承された」との報道(平成16年9月7日付・日本下水道新聞)があったことから、これが、
防菌及び抗菌材入り組立MHにも波及すると予想されるので、その動向については注目しておく必要
があると考えます。

 Q4 護岸工事における仮設除波工の天端高さの設定について
海岸を埋立て、道路を現状より海出しするために、直立護岸を海側に築造する工事を計画しております
(水中コンクリート基礎フーチングの上に重力式擁壁を築造する)。
 工事を行う際、消波ブロック等を利用して波を防ぎ、コンクリート打設・養生を行う必要があるのです
が、個人的に調査したところ、仮設除波工の天端高について記述されている文献がありません。
 何か参考になる文献等を教えてください。
<新潟県協会>
 A4  結論から言いますと、明確な記述はありません。
現場の条件(地形、水深、潮位、波高等)から検討・決定しなければなりません。
 参考文献としまして(直接ではありませんが)、
  @(社)日本港湾協会 (運輸省港湾局監修)「港湾の施設の技術上の基礎・同解説」
    平成11年4月 の下巻
  A(株)テトラ 「テトラポッド設計要領」
がございます。
  ※Aは、考え方の参考になるのではないかと思います。

[追記]上記について、以下の参考意見をいただきましたので追記します。
 @この内容は、仮設でありますが、「離岸堤(透過堤)」の設計である。
 A設計基準・文献は、「海岸保全施設築造基準解説」 なお、質問に答える具体的な記述がない。
 B参考文献は、「テトラポッド設計要領」の「離岸堤」が参考になると思います。
  具体的に仮設波除工の設計にあたっては、対象設計波の算定、仮設波除提背後の減衰波高の
  設定をする。その伝達率(減衰率又は透過率)となる離岸堤(天端幅、天端高さ、ブロック重量等)を
  設計することとなります。
  「テトラポッド設計要領」では、離岸堤の天端幅(高さが同じ)を変えた波高伝達率の算定式、及び
  天端高さを変えた波高伝達率の算定図表が掲載されていますので参考になると思います。

 Q3 シールド工事の二次覆工について
シールド工事の二次覆工に使用するコンクリート設計強度の決定方法についてご教示下さい。
<千葉市協会>
 A3 シールド工法の調査・設計から施工まで((社)地盤工学会)に二次覆工について以下のように記述し
ています。また、鉄道構造物等設計標準・同解説シールドトンネル((財)鉄道総合技術研究所)にも
同様なことが記述されています。

出典:シールド工法の調査・設計から施工まで((社)地盤工学会

 Q2 ブロック積擁壁の近接施工について
既設ブロック積み(1:0.4、H=3000、背面盛土ナシ)の前面に構造物(工場)を建設します。ブロック積み
の基礎根入れが約H=700程度であり、基礎前面が官民境界です。構造物(工場)の基礎掘削もブロッ
ク積みの基礎と同程度の深さです。ブロック積の滑動等、留意すべき事項を教えて下さい。
Q&Aサンプル
 A2 ブロック積みの基礎部分の地盤の状況等不明ですが、基礎部分の影響範囲を十分考慮し一般的には
2m程度以上は離し施工するのが望ましいでしょう。
地盤の状況によっては鋼矢板を施工時に用いて構造物(工場)の基礎掘削時にブロックの基礎が影響
を受けないように配慮する等の検討も必要かと考えます。
滑動にも配慮が必要ですが、ブロック積みであれば、近接施工なので施工時の振動に関しても配慮が
必要であると考えられます。

 Q1 ボックスカルバート設計時の留意点
ボックスカルバートを設計時にやむを得ず低土かぶりとなる場合の留意点を教えて下さい。
Q&Aサンプル
 A1  道路土工−カルバート工指針((社)日本道路協会)によると、「土かぶりが小さい場合には、裏込め
土の沈下などにより 舗装面に不陸を生じることがあるので、50cm程度以上の土かぶりが得られるよう
に、最初から計画しておくことが望ましい」とされています。
 ご質問のように、何らかの理由により、低土かぶり下にボックスカルバートを設ける場合の留意点は
以下のとおりです。
 (1) 舗装面の不陸を防止するための処置として、踏掛版の設置を検討するのが望ましい。
 (2) 低土かぶり下では温度変化の周期的変化による影響が無視できない場合もあるので、横方向
    の設計に際しては温度変化の影響を考慮するのが望ましい。
 (3) 特に大型車交通量が多い場合、頂版にはひび割れ発生の危険が増大(活荷重による発生応
    力の変動幅が大きいこと、繰り返し荷 重の頻度が高いことなど)することも予想されるので、頂
    版部における鉄筋の許容引張応力度を低めに抑えるのが望ましい。