■第586回建設技術講習会(道路行政の課題、港湾・漁港行政の課題題) 〜開催について


第586回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 創成川通アンダーパス連続化事業【平成23年度全建賞受賞事業】
………………………………………………………………………………………………札幌市中央区南5条〜北3条
 本路線は、都心南北交通の主軸であり、また、道路中央に位置する創成川は本市における歴史的遺産であるとともに、シンボル的な南北都市軸となっている。
 本市都心部においては、高次な都市機能と快適で魅力ある空間として、交通混雑の緩和や都心空間の有効利用、都心環境の改善などが求められていた。
 その一方策として昭和46年に完成した、創成川通の南アンダーパス(南5条〜南2条)と北アンダーパス(大通〜北3条)の2つのアンダーパスの連続化を図り、平成21年3月にトンネル部の供用を開始し交通混雑の解消を実現した。
 また、平成23年3月に地上部の道路と親水緑地空間(創成川公園)の整備が完了し、現在、市民の憩いの場として親しまれている。

2 こばやし峠トンネル建設事業
………………………………………………………………………………………………札幌市西区〜札幌市豊平区
 主要道道西野真駒内清田線は、西区の旧国道5号を起点とし、中央区盤渓、南区真駒内を経由し、豊平区福住に至る延長約24kmの札幌市の道路ネットワークを形成している幹線道路である。
 この路線の中間に位置するこばやし峠区間(中央区盤渓〜南区北ノ沢)は、急勾配・急カーブが連続した道路構造のために交通容量が低く、さらには、交通事故が多発し、10年に一度以上の確率で死亡事故が発生するおそれが高い箇所に位置づけられるなど、道路機能が十分とは言えない状況となっている。特に冬期間においては、路面が凍結し、加えて道路幅が狭くなるなど道路環境の悪化が著しいことから、冬期間においても安全で円滑な交通の確保が求められており、急勾配・急カーブを解消し、安全で円滑な交通を確保する目的から、トンネルを含む道路整備を進めているところである。平成23年10月にトンネル本体工事に着手し、平成27年度のトンネル完成を目指している。

3 旭山記念公園整備事業
………………………………………………………………………………………………………………札幌市中央区
 旭山記念公園は、札幌市創建100年を記念して昭和45年に造成された中心市街地と藻岩山・円山に隣接する公園で、多くの市民に親しまれてきたが、諸施設の老朽化等も進み、園路の傾斜もきつく、ユニバーサルデザインの観点からも、開設時とは市民ニーズが変化していることを踏まえ、平成13年に同公園の再整備事業を開始した。その中で、市民主体による再整備という観点から、シンポジウムや現地でのワークショップなどを開催し、市民の幅広い意見を取り入れながら再整備を進めた。
 平成14年4月に公園の将来像を検討するシンポジウムやワークショップを定期的に開催し、公園内に設置した「プロジェクトハウス」で、その検討結果を一般に公開し、さらに公園利用者の意見や提案を募集し、平成15年3月に開催した第3回シンポジウムで整備計画案を発表した。
 市民が主体的に公園運営にかかわれる仕組みづくりを目指して、再整備をきっかけに立ち上がった市民団体らとともに、公園のデザインだけではなく、管理も含めて、協働して進めていけるように検討を行った。また、公園のあり方についても、利用者協議会等を通じて公園利用者の意見が反映されるような仕組みづくりを取り入れ、整備にあたった。平成20年度に整備は完了したが、現在も、市民との協働のもと管理運営をしているところである。

4 苫小牧港西港区商工地区複合一貫輸送ターミナル改良事業
…………………………………………………………………………………………………………苫小牧市元中野町
 苫小牧港は、北海道の社会・経済の中心である道央圏の太平洋側に位置する国際拠点港湾であり、北海道の港湾貨物の約5割を取扱うとともに、内貿貨物量については全国1位を誇る等、北海道はもとより、我が国の経済や産業を支える重要な役割を担っている。特に苫小牧港は、全国とのRORO船ネットワークが形成されており、週37便のRORO船が就航しており、事業を実施する苫小牧西港区西ふ頭は、RORO船貨物を取扱う拠点として、週15便(苫小牧港全体の約1/3)が就航している。苫小牧港西港区西ふ頭複合一貫輸送ターミナルにおいては、老朽化した岸壁(4バース)を改良し、船舶の大型化への対応と安定的な輸送の確保や物流の効率化を図り、国際競争力、観光交流、広域・地域間連携等の確保・強化と岸壁の耐震強化により大規模地震時の海上からの緊急物資輸送機能を確保することを目的に整備を進めることとしている。