■第560回建設技術講習会(工事積算(土木・建築)の課題)〜現場研修事業の概要


第560回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 尾原ダム建設事業
…………………………………………………………………………………………雲南市木次町・仁多郡奥出雲町
 島根県東部を流れる一級河川斐伊川・神戸川では、昭和47年7月洪水による甚大な被害を契機として、両水系を一体的に捉え、上流、中流、下流でお互いに治水機能を分担する抜本的な治水計画が、昭和51年7月に策定されました。なかでも現在、斐伊川上流部に建設が進められている尾原ダムは「地域に開かれたダム」事業として整備されており、洪水調節、河川環境の保全、水道用水といった多目的ダムとしての機能はもとより、地域の声を聞きながら、ダムを核とした地域づくりを図るべく整備が進められています。特にダム周辺ではボート競技施設、自転車競技施設、展望台、交流施設、散策登山道など、多くの方々に訪れてもらえるよう施設整備が進められています。

2 斐伊川放水路事業
……………………………………………………………………………………………出雲市大津町〜神戸川河口
 島根県東部を流れる斐伊川と神戸川の抜本的治水対策は沿川に大きな洪水被害をもたらした昭和47年7月洪水を契機として、上流・中流・下流でそれぞれ治水機能を分担して沿川全体の安全性を向上させるよう計画され、@上流部の斐伊川と神戸川それぞれにダム建設、A中流部の斐伊川放水路建設と斐伊川本川の改修、B下流の大橋川改修と中海・宍道湖の湖岸堤整備、の3つの柱からなっています。
 中流部の対策である斐伊川放水路は、斐伊川を流れる洪水の一部を分流し、隣を流れる神戸川へと合流させて日本海へと流すもので、斐伊川下流へ流れる洪水を減らすとともに、神戸川の安全性も確保するよう計画しています。斐伊川と神戸川をつなぐために出雲市街地南部の丘陵地を4kmにわたって掘削し、幅約100mの新しい水路をつくりだすとともに、斐伊川の洪水を受け入れることとなる神戸川の川幅を河口まで約9kmにわたって約1.5倍の300m〜350mに拡げる、全体延長13kmに及びます。
 平成6年5月の起工式を行い、平成21年度末までに掘削、築堤とも約8割が完了し、取水堰や橋梁など既存の横断工作物などの改築も順次進んでいます。平成21年4月からは、放水路事業最後の大型構造物である分流堰の建設工事に着手しています。工事により新たに発生する法面には沿川の方にも協力をいただき植樹を行うなど環境面にも配慮しつつ工事を進めています。

3 一地域高規格道路 松江第五大橋道路建設事業
……………………………………………………………………………………………松江市下東川町〜東津田町
 松江第五大橋道路は、国道431号バイパスと国道9号松江道路とを接続する延長5.2qの地域高規格道路として計画され、山陰道とともに宍道湖・中海圏域の高規格な8の字ルートをつくり、豊かで活力のある「宍道湖中海都市圏」の形成を図る重要な道路です。この道路が整備されることにより、松江市街地の外環状道路としての機能を発揮し、市街地の渋滞緩和、災害や緊急時の避難路や迂回路、市内に点在する商工業拠点を結ぶなどの効果が期待されています。また、住民参加型の事業として位置づけ、整備計画の早い段階から説明会の実施や情報提供誌の発行、ホームページの開設、パネル展示などを繰り返し行い、住民や市民とのコミュニケーションをとりながら整備事業を進めています。