■第557回建設技術講習会(アセットマネジメントと公物管理の課題)開催について 〜現場研修事業の概要


第557回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 有明海沿岸道路整備事業
………………………………………………………………………………………福岡県大牟田市〜佐賀県鹿島市
 有明海沿岸道路は、福岡県大牟田市から佐賀県鹿島市までの全長約55kmで計画されている自動車専用道路です。この道路は、地域間の交流・連携を強化する地域高規格道路として位置づけられており、将来は、九州横断自動車道などの高速道路と連携し、交通ネットワークを形成することで高規格幹線道路網を補完します。
 また、有明佐賀空港、三池港などの広域交通拠点及び佐賀県佐賀市、鹿島市、福岡県大牟田市、柳川市、大川市など有明海沿岸都市群の地域産業の活性化等の有明海沿岸地域の更なる発展に寄与するとともに、一般国道208号、444号等の混雑緩和と交通安全の確保を目的として計画された道路です。

2 石井樋(石井樋地区歴史的水辺整備事業)
……………………………………………………………………………………………………………佐賀市大和町
 石井樋は嘉瀬川から多布施川へ水を分ける取水施設で、昭和35年、上流に川上頭首工という取水施設がつくられるまで、約350年にわたり水不足や水害から佐賀平野を守り続けてきました。
 この施設は、成富兵庫茂安の指導により、元和年間(1615〜1623)に造られました。取り入れられた水は佐賀城下の生活用水と農業用水として使われました。この施設は、土砂の混じった川の水を象の鼻、天狗の鼻など石で作られた施設を組み合わせて土砂を沈め、きれいな水にする工夫がされていました。この施設は日本でも最も古い利水施設のひとつであり、歴史的・文化的な価値が高い土木遺産のため平成17年に石井樋地区歴史的水辺整備事業により復元されました。

3 嘉瀬川ダム本体建設工事
……………………………………………………………………………………………………………佐賀市富士町
 嘉瀬川ダムが建設される嘉瀬川は、脊振山に源を発し、神水(しおい)川、 天河(あまご)川、名尾(なお)川などの支川と合流しながら山間を下り、日本でも有数の農業地帯である佐賀平野と白石平野を南北に貫いて、有明海へと注ぐ幹川流路延長57km、流域面積368km2の一級河川です。嘉瀬川の下流域は、有明海の潮の影響を強く受けるため、幾度となく氾濫し甚大な被害を受けていました。
 嘉瀬川ダムは、下流における洪水被害の軽減、既得取水の安定化及び河川環境の保全等のための流量の確保、佐賀西部地域への農業用水の確保及び佐賀市周辺地域における都市用水を確保する多目的ダムとして建設されます。ダムの概要は、堤高約97m、堤頂長約460m、堤体積約1,220,000m3、集水面積128.4km2、総貯水容量7,100万m3の重力式コンクリートダムで、総事業費1,780億円、工期は昭和48年度に実施計画調査を始め、平成23年度に完成予定となっています。

4 国営吉野ヶ里歴史公園整備事業
……………………………………………………………………………………………神埼市〜神埼郡吉野ヶ里町
 吉野ヶ里歴史公園は、わが国固有の優れた文化的資産である吉野ヶ里遺跡の保存及び活用を図るため設置された国営公園で、佐賀県神埼市、神埼郡吉野ヶ里町にまたがる丘陵地にあり、面積は約54haです。また、公園の周囲には、遺跡の環境保全及び歴史公園としての機能の充実を図るために約63haの県営公園が計画されており、総面積約117haの区域が一体的な歴史公園として整備され、平成13年に約47haを第1期開園し、現在も整備を進めています。また、整備の基本理念として、吉野ヶ里遺跡の保存を通じての本物へのこだわりと、適切な施設の復元やわかりやすい手触りの展示等の遺跡の活用を通じて、弥生時代を体感できる場を創出することとし、もって日本はもとより世界への情報発信の拠点とすることを理念に整備を進めています。