■第545回建設技術講習会(入札契約制度改革と公共工事の品質確保)〜現場研修事業の概要


第545回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 波介川(はげがわ)河口導流事業
………………………………………………………………………………………………………………土佐市新居
 波介川は一級河川仁淀川の河口から2.2km付近に合流する右支川で、流域面積73.3km2、流路延長19.0kmで土佐市を流れています。洪水時には仁淀川本川の水位が波介川より高くなり、また波介川流域は、上流に行くほど地盤が低い低奥型地形であるため、土佐市中心部は過去幾多の水害を被ってきました。
 波介川河口導流事業は、現在の合流点を仁淀川河口部へ付け替え、洪水時において仁淀川からの逆流による影響を除き、波介川の洪水を安全に流下させ、内水被害を大幅に軽減させるものです。
 本事業は、平成15年度に緊急対策特定区間に設定され、完了目標年度は平成24年度としていましたが、平成16年、17年の2年連続の大規模な浸水被害を契機に、平成19年度より「床上浸水対策特別緊急事業」を活用し、重点的に推進しています。
 これにより完成年度を平成23年度と1年前倒しすることができ、平成17年9月洪水と同規模の洪水に対して、床上浸水被害の解消を図っています。
※床上浸水対策特別緊急事業とは、被災後の復帰に多大な労力を要し、経済的・身体的に大きな負担となる床上浸水が頻発している地域において、特に対策を促進する必要がある河川を対象として、概ね5年間で重点的、緊急的かつ総合的に治水対策を実施するものです。

2 高知県立牧野植物園(南園)改修工事
…………………………………………………………………………………………………………高知市五台山
 牧野植物園は昭和33年(1958)に、高知県が生んだ植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰する施設として、高知市五台山に開園した施設です。
 本園では、開園五十周年を記念して開く「五台山花絵巻」(会期:平成20年4月1日〜6月30日、主催:牧野植物園・高知県)の開催を契機に南園の改修工事を行いました。
 これにより、高齢者らが散策しやすいよう急こう配の地形をスロープ状にし、バリアフリーなどに配慮しました。平成20年3月下旬には、雄大な谷地形や歴史を伝える古道「お馬道」などの資源を活かし、サクラソウ、カキツバタなど、代表的な日本の伝統的な園芸植物を一堂に集め、歴史ある園地を活かしながら、華やかさと気品に満ちた庭園へと生まれ変わりました。

3 高知駅周辺都市整備事業
………………………………………………………………………………………………高知市比島町〜福井東町
 高知県と高知市が一体となって行う高知駅周辺都市整備は、県が施行する連続立体交差事業、市が施行する土地区画整理事業、県・市が施行する関連街路事業の3つ事業を柱として実施しており、21世紀の新たな高知の街づくりを目指しています。
 その中の一つである当事業は、平成9年1月に都市計画事業認可(建設大臣認可)を受けた高知・入明・円行寺口の3駅を含む約4.1km区間の鉄道高架事業であり、円滑な南北交通を実現し、11箇所の踏切による渋滞の緩和、南北市街地の一体的な発展を図るものです。
 また、当事業の大きな特徴は、景観を重視した公共構造物を目指しており、その実現のため鉄道高架橋と高知駅舎について、景観検討委員会を立ち上げました。その景観設計の一つであり県民の財産である大屋根「くじらドーム」は高知駅舎をすっぽりと覆う構造で、日本では例がありません。単に駅舎の屋根というものではなく、高知の新しいシンボルとなるようデザインしており、構造の主要部材や天井に高知県産杉材を使用し、木の暖かみをかもし出しています。



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