■第544回建設技術講習会(河川行政の課題、都市・地域整備行政の課題)〜現場研修事業の概要


第544回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 浅川ダム建設事業(浅川治水事業)
……………………………………………………………………………………………………長野市一ノ瀬地区
 浅川は、長野市北部の飯綱山を源とし、小布施町で千曲川に合流する延長約17kmの一級河川です。
 古くから、度々水害が起き、昭和21年〜30年にかけて河川改修事業が実施されました。
 その後、時代の進展とともに沿川の市街化等の影響により昭和40年〜50年代に再三被害を受けました。
 そのため、洪水の安全な流下を確保するため、本河川では、「治水専用ダム」と「河川改修」により、治水安全度1/100、基本高水450m3/sに対応する河川整備計画が平成19年8月に認可されました。平成13年2月の「脱ダム」宣言により休止となっていたダム建設事業を再開し、ダム本体工事着手に向け、事業を進めています。

2 浅川河川改修事業(浅川治水事業)
……………………………………………………………………………………長野市古里、稲田地区(中流域部)
 浅川の中流域(古里、稲田地区)では、著しい天井川を呈しており、JR信越本線との交差部においては、浅川がJRの鉄道上を水路橋で横過する全国でもまれな形態となっていました。
 このため、河道を下げて天井川を解消するとともに、河道の拡幅、掘削及び築堤により河積の拡大を図り洪水の安全な流下を確保するため、早期の河川改修に向け事業を進めています。

3 国道406号 村山橋架替事業
……………………………………………………………………………………長野市中俣地区〜須坂市高梨地区
 千曲川に架かる村山橋は、県都長野市と長野広域生活圏である須坂市等を結ぶ橋梁であり、全国的にも珍しい鉄道(長野電鉄株式会社)との併用橋となっています。
 しかし、現橋は、大正15年(1926年)に架設されたものであり、老朽化が進むとともに、幅員も狭く、歩道もないことから通行に大きな支障をきたしておりました。
 このため本事業により、現橋の上流側に道路橋と道路と鉄道の併用橋をそれぞれ架設し、前後の取り付け道路とあわせて4車線化することで、交通渋滞の緩和と歩行者の安全確保、また地域の産業と観光振興等を図るものです。
 現在は、道路と鉄道の併用橋を架設しており、この工事の完成により既に供用済みの道路橋とあわせ、両側歩道付きの車道4車線と鉄道が全て「新村山橋」へ移行となります。

4 松代地区歴史的道すじ整備事業
…………………………………………………………………………………………………………長野市松代地区
 長野市の南部に位置する松代町は真田十万石の城下町であり、その武家屋敷の特徴は、間口より奥行きが広く、重厚な門、塀、前庭、泉水を有する庭園にあります。これが「庭園都市松代」と言われる由縁です。道路網も、鍵曲りや袋小路が多く見られ、城下町特有の雰囲気を醸し出しています。現在、生活様式の変化から、この歴史的町並みが失われつつあります。
 このような現状をふまえ、歴史的な遺産を活かした「総合的なまちづくり整備計画」が策定されました。
 その整備方針に基づき、歴史文化や自然環境資源を結ぶ歩行者ネットワークの美装化事業と、街なみ環境整備事業等により沿道住民の建物等の修景・修理に対する助成も併せて行い、住民と協働のまちづくりを順次進めています。

5 長野駅周辺第二土地区画整理事業
……………………………………………………………………………………………………長野市大字栗田周辺
 当事業は、『「長野都心の新しい拠点」としての形成を図り、土地利用の誘導や、広域交通の整備に対応した都市基盤の整備を進め、環境の優れた個性豊かな街づくりを行い、公共の福祉の増進に資すること』を目的としています。
 施行面積は、58.2ha、総事業費は約780億円で、長野市が施行者として平成5年から着手し、平成28年度の事業完成を目標に事業を進めています。
 この事業により、施行地区内では、道路、公園等の公共施設の整備を進め、商業地域や住宅地域として土地利用を誘導しています。



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