■第538回建設技術講習会(環境の保全・建設リサイクルの推進)〜現場研修事業の概要


第538回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 創成川通連続化事業
……………………………………………………………………札幌市中央区大通〜北3条、南5条〜南2条
 本路線は、都心南北交通の主軸であり、また、道路中央に位置する創成川は本市における歴史的遺産であるとともに、シンボル的な南北都市軸となっています。
 本市都心部においては、高次な都市機能と快適で魅力ある空間として、交通混雑の緩和や都心空間の有効利用、都心環境の改善などが求められており、それらの一方策として昭和46年に完成した、南アンダーパス(南5条〜南2条)と北アンダーパス(大通〜北3条)の2つのアンダーパスを結び、連続化を図ります。

2 真駒内川総合流域防災事業
…………………………………………………………………………………………………札幌市南区石山
 1級河川石狩川水系真駒内川は札幌市の南にある空沼岳を源とし、住宅地を流れ豊平川に合流します。流域面積37.8km2、流路延長20.8kmの河川です。
 真駒内川は急流であるため、過去に幾度となく大きな被災に見舞われてきましたが、昭和56年の被災を契機に昭和63年より河川改修事業がおこなわれ平成19年度までに4.7km区間が終了しています。
 改修事業を進めるにあたり地域の意見を川づくりに反映させるために真駒内川を考える会を設立し、「ふるさとの川を育もう」をテーマとして、治水安全度の確保だけではなく水辺空間の保全と再生を図るため、サクラマスを指標として、その生活史段階(遡上、産卵、越冬)における生息環境の回復を目的に既設落差工の撤去による河道の連続性の確保、低下等の原因により岩盤化した河床に砂礫を堆積させる試みを行っています。

 

3 札幌市水道記念館整備事業
……………………………………………………………………………………………札幌市中央区伏見
 札幌市水道記念館は平成9年(1997年)より休館していましたが、平成19年(2007年)5月26日にリニューアルオープンしました。
 新しい水道記念館は、展示室全体で大自然から大都会そして海へと向かう水の旅を表現し、参加・体験をしながら、水道を通して自然環境と人間の関りを考え、水や自然の大切さを感じ取ることができる施設として整備しました。
 展示以外にも、ゆったりとくつろぐことのできる「サロン」、水に関する図書などを集めた「水の図書館」、小さなお子さんを遊ばせることのできる「キッズルーム」などを設置しています。
 屋外には、札幌市内を見渡すことのできる展望テラスを設置し、水道記念館前の配水池上面を活用した広場スペースの開放も行っています。

4 モエレ沼公園造成事業
……………………………………………………………………………………………札幌市東区丘珠町
 モエレ沼公園は、札幌の市街地を公園や緑地の帯で包み込もうという、「環状グリーンベルト構想」における北部の拠点公園として計画されました。モエレ沼を含む約189haを公園区域として、平成17年(2005年) 夏に全面完成いたしました。
 モエレ沼公園は、ゴミ処理場建設の必要に迫られていた清掃事業とあいまって、ゴミ処理場として利用した後、公園造成を行うユニークな事業として整備が始まりました。昭和54年からゴミの埋立てが、昭和57年からは公園の基盤造成が始まり平成2年の処理場閉鎖まで搬入された廃棄物の総量は270万tになります。
 なお、昭和63年3月、初めて札幌を訪れた彫刻家イサム・ノグチは、雪の残るモエレ沼の水面と大地、その上に広がる北の空を眺めていました。この公園事業に強い関心を持った同氏の期待に応え、札幌市は公園の設計を委託し、同氏は、「全体をひとつの彫刻とみなした公園」のマスタープランを完成されました。



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