■第535回建設技術講習会(道路行政の課題、港湾・漁港行政の課題)〜現場研修事業の概要


第535回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 清水港色彩計画
………………………………………………………………………………………………静岡市清水区
 清水港は、海外40以上の主要港と結ばれ、2004年の外国貿易額は全国第8位の2兆6千億円余りを誇る地域経済を牽引する物流の拠点です。
 1980年代までは、他の港と同様に雑然とした産業景観を形成していました。1988年当時の市民アンケートでは、清水港は(清水の)代表的な景観とされる一方で好ましくない景観の1つとしてもあげられていました。
 そこで、羽衣伝説で有名な三保の松原や富士山の景観を生かし、自然の景観と調和した人工的景観を創り出し、個性的で魅力あふれる美しい港にしていこうとする計画が、全国に先駆け実施しています。
 また、近年では、港湾空間利用の変化に対応して一部のゾーンの配色を修正し、市街地への対象地域拡大も視野に入れた、2004年4月から「美しいみなとまちづくり」として、第2期計画を推進しています。

2 新東名高速道路建設事業 吉原JCT(仮称)
伊佐布IC(仮称)
………………………… 静岡県静岡市清水区吉原
………………………… 静岡県静岡市清水区伊佐布
 
 新東名高速道路(第二東名高速道路)は、大都市圏との連携強化、サービスの限界を超えた東名高速道路との機能分担を図り、地震・災害・重大事故時の代替路を確保する上で必要不可欠な我が国の大動脈です。
 県内の新東名では、県東部の御殿場JCTから愛知県境までの147kmにおいて、平成24年度の供用に向け、整備が進められています。この工事中区間は、東海地震等の大規模災害時に活用できる基本協定を締結しています。
 吉原JCTは、新東名高速道路から中部横断自動車道への分岐点として建設が進められており、東名清水IC及び伊佐布ICから連絡路及び中部横断自動車道を利用することで、物流拠点となる清水港と山梨、長野両県を結ぶ南北交通機能の飛躍的向上が見込まれます。
(提供/NEXCO中日本横浜支社)

3 焼津漁港整備事業
………………………………………………………………………………………………静岡県焼津市新屋
 焼津漁港は、全国有数の遠洋・沖合漁業の基地としてその名を知られています。関東と関西圏の中央に位置するという立地条件の良さや港内の静穏度(せいおんど)等により、平成18年の水揚げ量は全国2位を誇ります。
 焼津漁港には、「焼津地区」と「小川地区」があり、「焼津地区」は、かつお・まぐろの水揚げを主とした遠洋漁業が盛んです。「小川地区」は、さば・あじの水揚げを主とした沿岸・沖合漁業が盛んに行われています。
 昭和61年度に整備に着手した新港地区では、新市場の機能移転や駿河湾深層水関連施設の立地がほぼ完了し、現在、親水公園等、環境整備事業も進めています。
 さらに平成19年度からの第2次漁港漁場整備長期計画では、国際競争力と力強い産地づくりの推進を重視した事業展開を図ることとしています。

4 富士山静岡空港建設事業
…………………………………………………………………………………………静岡県牧之原市・島田市
 静岡県は本州のほぼ中央に位置し、人口380万人、県内総生産額は約16兆円です。県内には多様な産業が集積し平成17年度の製造品出荷額約17兆円で国内第3位の「ものづくり県」です。
 東京、名古屋、大阪の3大都市は静岡から300km圏内で、東名高速道路、東海道新幹線を利用しスムーズなアクセスが可能となっています。このような立地条件をもつ静岡県は、企業の進出地としても魅力的であり、静岡県への企業立地件数は平成14年度から3年連続して第1位となっています。
 現在、静岡県では独創性ある元気な産業づくりを目指すため「静岡トライアングルリサーチクラスター形成事業」を実施中です。富士山静岡空港が開港することにより、県内産業の一層の活性化が期待されます。
 平成21年3月開港をめざし、整備が進められている。



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