■第532回建設技術講習会(河川行政の課題、都市・地域整備行政の課題)〜現場研修事業の概要


第532回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 大柏川(おおかしわがわ)第1調節池建設事業
………………………………………………………………………千葉県市川市北方町(ぼっけまち)地先
 大柏川第1調節池は、千葉県北西部を流れる真間川流域の治水対策の一環として、支川の大柏川中流部に計画した面積約16ha、洪水調節容量約25万m3の調節池です。
 計画地周辺では急激な市街化が進行し自然が失われていく中、市民の間ではこの施設を自然の残る貴重な水辺空間としたいとの要望が高まり、県と地元市川市は共同で水辺空間の整備構想をとりまとめ、平成9年に国土交通省から「水辺プラザ」の指定を受けました。その後、具体的な整備を進めるために、市川市、地元住民、市民団体とともにワークショップや検討会を開催し、市民との協働で「自然環境の創造」を目標とする上面の利用計画を定め、治水施設の整備を行いました。
 治水施設の整備を平成17年度に終え、市川市によるビジターセンター(交流拠点施設)の整備を併せ、平成19年6月30日からは「大柏川第1調節池緑地」として市民に親しまれ、自然観察や散策など、多くの方々に利用されています。

2 手賀沼環境整備事業
………………………………………………………………………………………………千葉県柏市・我孫子市
 手賀沼は、高度成長期以降、流域内の都市化に伴う家庭からの生活排水が大きな原因となって汚濁物質の流入が増え、著しく水質が悪化した。最悪時にはCODが28(昭和54年)であったが、現在はCOD7.8(平成18年速報値)となっており、近年は回復傾向にある。
 これまで、主な浄化対策として、下水道の整備等の流域対策と連携して、浄化施設の設置のほか、水質の悪化をもたらしていると考えられる底泥からのリンの溶出を抑制するため、リン濃度の高い箇所の浚渫等を実施してきた。(その浚渫土は、湖岸における堤防や緑道の造成に活用してきている。)
 また、平成12年度からは国による北千葉導水事業によって利根川の水が導水(最大10m3/S)され、より一層の浄化が進むこととなった。今後は、上記の浚渫に替わって、沼底の堆積土を活用して湖岸に浅瀬を造成し植生帯を整備して水質浄化に役立てるとともに、沼本来の生態系の回復にも努めていくこととしている。また、流入河川の河口部において汚濁拡散防止対策を講じ、さらなる浄化を図っていく予定である。

3 柏北部中央地区土地区画整理事業
…………………………………………………………………………………………千葉県柏市十余二 他 地区
 この地区は、千葉県が面積273ha、計画人口26,000人の土地区画整理事業を行っています。
 本地区は隣接する柏の葉地区に県立柏の葉公園、東京大学柏キャンパス、千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター、東葛テクノプラザなどの国・県の各種機関や施設が集積しています。また、地区の東側には国道16号が位置し、常磐自動車道の柏インターチェンジも近いなど自動車交通の要衝となっており、さらに国道16号と地区内で交差する形で、茨城県から埼玉県までを連絡する広域幹線の都市軸道路が地区内に計画されています。
 つくばエクスプレスは高架構造で地区を南北に縦断し、新駅はほぼ地区の中央にあります。
 地形は概ね平坦で、地区の中央部の大部分が柏ゴルフ場跡地であり、地区の北側には、貴重な湧水機構を持つ「こんぶくろ池」とその周辺の樹林帯などの豊かな自然環境も有しています。

3 柏の葉公園建設事業
……………………………………………………………………………………千葉県柏市柏の葉4丁目地内区
 柏の葉公園は、県の北西部、東葛飾地域のほぼ中央にあり、都市生活の潤いと安らぎを与える場として、「健康・文化・みどり」をテーマに、旧米軍通信所跡地の土地区画整理事業により誕生した面積約45ヘクタールの広域公園です。
 園内は、日本庭園、講演センター、コミュニティー体育館、季節の花が見られる四季の広場などがある「緑の文化ゾーン」と、陸上競技だけでなくJリーグや高校サッカー選手権が行われる総合競技場、テニスコートなどがある「健康スポーツゾーン」の2つのゾーンからできており、四季の潤いを感じながら躍動的にスポーツを楽しむことができます。
 現在、進めている野球場の工事が完成すると公園全体が開園する予定です。



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