■第530回建設技術講習会(環境・建設リサイクル)〜現場研修事業の概要


第530回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 北見道路整備事業
………………………………………………………………………………北見市北上〜端野町川向東10号
 北見道路は、北見市街地の南側をバイパスする延長10.3 kmの自動車専用道路です。
 5箇所のトンネル、8箇所の橋梁により自然の改変を最小化するとともに環境影響評価書に基づき、自然環境の保全対策を実施して、平成16年度から工事を開始しています。
 なお、北見道路は、環境影響評価法に基づき、北見道路整備の事業内容が、環境にどのような影響を与えるのか、地域の方々や各方面の専門家の意見を反映する機会を設け、様々な検討を行い事業を進めています。
 また、北見市では、市民参加により検討された都市計画マスタープランに北見道路を位置付けています。

2 一般国道334号 斜里エコロード
………………………………………………………………………………………北海道斜里郡斜里町真鯉地区
 一般国道334号の斜里町日の出から宇登呂間は、地域住民の生活を支える重要な道路であるばかりでなく、世界自然遺産に登録された知床半島に至る自然が豊かな道路のため、動植物などの生息環境への配慮が求められています。
 特に、本路線内の真鯉地区ではエゾシカと自動車の衝突事故が多発しており、野生動物の保護と交通安全の両面から緊急な対策が課題となっています。
 そこで、鹿通橋付近から小沢橋付近の2.4kmをエゾシカ等の大型動物対策の試験区間として、種々の対策を実施し整備効果の把握をしています。
 道路にエゾシカが侵入しないように両側に防護柵を設置し、アンダーパス等により移動の阻害を緩和し、自動車との動線を分けることによる事故対策を実施しました。しかし、防鹿柵の起終点部や取付道路部からの侵入を皆無にすることは道路の性質上、不可能であり、両側を柵で囲まれた道路にエゾシカが侵入した場合に、脱出させる施設としてワンウェイゲートやアウトジャンプを設置しています。

3 知床世界自然遺産〔東オホーツクシーニックバイウェイ他〕
……………………………………………………………………………北海道斜里郡斜里町、目梨郡羅臼町
 知床は、平成17年7月、南アフリカのダーバンで開催されていた第29回世界遺産委員会において世界自然遺産への登録が決定しました。
 登録に当たって、流氷が育む豊かな海洋生態系と原始性の高い陸息生態系の相互関係に特徴があること、シマフクロウ、シレトコスミレ等の世界的な希少種やサケ科魚類、海棲哺乳類等の重要な生息地を有すること等が評価されました。
 また、世界的に見て普遍的な価値を有する知床の自然環境を将来の世代まで引き継いでいくため、環境省を始め、関係機関により様々な取り組みが始められています。
 なお、国土交通省では、みちをきっかけに地域住民の方々と行政とが連携し、景観をはじめとした地域資源の保全・改善の取組を進めることにより、美しい景観づくり、魅力ある観光空間づくり、活力ある地域づくりを図る取り組み「シーニックバイウェイ」の活動を支援している。知床を含む東オホーツク地域では、平成17年度から「東オホーツクシーニックバイウェイ」の活動が本格化している。



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