■第511回建設技術講習会(環境 〜環境の保全や美しく良好な景観形成〜)〜現場研修の概要


第511回建設技術講習会 現場研修事業の概要

1 佐賀県立佐賀城本丸歴史館建設事業………………………………………………………………佐賀市城内
 この本丸歴史館は、「幕末・維新期の佐賀」を検証し、県民にこの時代の歴史を分かりやすく伝え、新しい郷土の発展の源泉となるような施設を目指して建設された。
 本施設は、国内でも施工事例の少ない、伝統工法による大規模木造建築物である。
 石工事・木工事・屋根工事・左官工事などの伝統工法については、職人さんが全国的にも少ないため、佐賀県内はもとより、遠くは愛知県・京都府・滋賀県・奈良県等から、多くの方々にご協力いただき施工を行った。
 なお、現場で使用する各種の材料は、佐賀県産のものと周辺地域内のものをできるだけ利用している。

2 巨勢川調整池〔佐賀導水事業〕…………………………………………佐賀市金立町大字千布地先
 佐賀市北部に位置する巨勢川調整池は、佐賀市を流れる巨勢川・黒川の洪水を貯留し、佐賀市街部を洪水被害から守ることを目的とした治水施設である。
 本調整池の規模は、東西約900m、南北平均600m、面積約55haの広大なスペースを有し、周囲堤防の延長は約2.6kmに及ぶものとなっている。
 なお、本調整池は、巨勢川・黒川それぞれの洪水調整を行う施設であり、水を調整池に一時的に貯め、調整池に貯まった水は、巨勢川機場内ポンプにより嘉瀬川へ排水を行うしくみとなっている。

3 石井樋〔石井樋地区歴史的水辺整備事業〕………………………………………佐賀市大和町地先
 石井樋は、江戸時代初期に成富兵庫茂安によりつくられ、近年まで利用されていた導水施設である。
 本事業は、石井樋の復元を核として、現在国土交通省、佐賀県、佐賀市及び大和町が一体となって、石井樋地区歴史的水辺整備を行った事業である。
 この石井樋地区歴史的水辺整備は、生物の良好な生息環境及び自然の川らしい風景を保全・創出するための水辺整備を行うとともに、成富兵庫茂安の業績をはじめとした、水に係わる歴史や地域の文化・風土を伝える資料を展示し、歴史等を積極的に体験しながら学ぶための施設として、地域交流の拠点となっている。
 なお、本事業は平成5年皇太子殿下御成婚記念として、全国9箇所の内の一つに選定されている。

4 一般国道385号(東脊振バイパス)道路改良事業…………………佐賀県神埼郡東脊振村大字松隈地先
 一般国道385号の県境付近の山麓部は、脊振山系の急峻な地形であり、幅員が3mと狭小なうえ急カーブの連続で2トン車以上の車両は通行禁止の規制が行われるなど、自動車交通の大きな障害となっている。
 このため、佐賀県が昭和50年度から東脊振バイパス事業(L=6.91km)に着手し、昭和63年度に1期区間を供用開始し、2期区間を整備中でありますが、地形的な制約等から多大な費用と期間を要している。そこで、東脊振バイパスの早期完成を図るため、平成14年度から東脊振バイパスの一部(L=2.15km)に有料道路事業を導入し、公共事業の整備と合わせて、東脊振バイパスの平成17年度完成を目指すものです。

5 吉野ヶ里歴史公園整備事業…………………………………佐賀県神埼郡神埼町・三田川町・東脊振村
 吉野ヶ里歴史公園は、国の特別史跡「吉野ヶ里遺跡」の保存と活用を図るために、国と佐賀県が設置した公園です。この地に佐賀県の工業団地を造る計画が持ち上がり、昭和61年から本格的な文化財の発掘調査が行われました。その結果、我が国弥生時代最大規模の環壕集落であることが確認され、また魏志倭人伝に記された邪馬台国の様子を彷彿とさせる建物跡などが発見されたことにより、一躍全国の注目を集めました。日本の古代の歴史を解き明かす上で極めて貴重な情報を提供してくれることから、平成4年、国営吉野ヶ里歴史公園として整備することが閣議決定され、さらに国営公園区域の周辺に佐賀県の公園区域を設け、国と県が一体となった歴史公園として、平成13年4月からその一部が開園しています。



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