■第474回建設技術講習会(河川行政の課題、都市・地域整備行政の課題)〜現場研修の概要


第474回建設技術講習会「現場研修主な立ち寄り先の概要」

1.万代島再開発事業……………新潟市万代島
 万代島再開発事業は、主に新潟コンベンションセンターや万代島ビルから成るコンベンション複合施設の整備を行ったものである。建設予定地は新潟地震の時に多大な被害を受けた軟弱地盤の地区であった。このため地盤に砂の杭を打ち込む工法などによる地盤改良工事を行うことで地震対策を行っている。
 一方で津波に対する対策として、建築施設の地盤面を標準水面から2.5m以上高くすることにしている。
 環境エネルギー対策についてはアトリウムの屋根に約143m2の太陽光発電パネルを設置する計画であり、コンベンションセンター全体の中で消費し、少しでも地球環境に優しい施設となるよう配慮している。
 また事業に対する県民の理解を深め、その意見を計画に反映させるために、県民・市民の意見を聴取する場を積極的に設け、県、新潟市、民間事業者などで構成される万代島再開発会議を設けた。
 再開発区域面積は対岸の地方卸売市場を含め34.3haであり平成15年5月の開業までの再開発面積は約15.6haである。

2.福島潟放水路……………豊栄市早通
 平成10年8月4日新潟県北部一帯を襲った豪雨(時間最大雨量80mm、日雨量262mm)により新井郷川流域では激甚な被害が発生した。そこで再度災害を防止するため激特事業で整備を行うとともに、福島潟上流部の折居川、荒川川の災害復旧助成事業採択に伴い、その流量増加に対応するため、復緊事業による整備を併せて行う上下流約20kmの水系一貫の河川事業である。
治水………流域の安全度は30年に一回発生する規模の洪水を安全に流下させる整備を目指す。
河川利用………名山集落に設置する潟口堰上流は水路開削後ヒシや蓮の花が自然に再生し、元来潟であった頃を彷彿とさせる景色になるなど、豊かな自然環境に恵まれ動植物の宝庫となっている。そうした自然環境に配慮しつつ身近な安らぎ空間、環境学習の場として機能するよう整備する。
「放水路」………流路のある地点より新水路(河川)を開削し、洪水の全部あるいは一部を他の河川、海又は湖に放流する新水路(河川)のこと。進し、充実した住み良い郷土づくりに努力して行く考え。

3.鳥屋野潟公園……………新潟市清五郎  【平成13年度全建賞「都市部門」受賞事業】
 本公園は新潟市の貴重な自然資源である鳥屋野潟を保全しつつ「人間・スポーツ・環境」を基本テーマに、県のスポーツ・健康づくりの拠点として位置づけられた広域公園である。
 自然生態園、多目的運動広場、多目的芝生広場、メインスタジアム「ビッグスワン」を含め現在62.1haを供用している。「ビッグスワン」はワールドカップサッカー大会後は第一種陸上競技場としてスタジアム舗装等を整備してオープンさせ、現在は国体開催に向けサブトラックを整備中である。
 事業全体の特徴として隣接する鳥屋野潟の浚渫土を造成に使用するとともに、河川・港湾・農地工事などと連携し、造成土を他工事から流用するなどコスト縮減を図った。また修景池や生態園の池などの自然石は、平成7年災害の糸魚川市の姫川で発生した石を運搬し使用している。災害発生土処理の一助をしながら良質の材料によるグレードの高い公園整備が実現された。


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